パリのジャーナリスト:マリーは、恋人とバカンスを楽しんでいたさなか、突如津波に襲われ、九死に一生を得る。
死の淵を彷徨っていた時に見た不思議な光景が忘れられないマリーは、それが何なのかを追究しようと独自に調査を始める。
サンフランシスコ。
かつて霊能者をしていたジョージは、自らその能力と距離を置き、工場で働いていた。
しかし、いまだに彼の能力を頼って来る人がいて、完全に止める事が出来ずにいた。
ロンドンに暮らす双子の少年ジェイソンとマーカス。
ある日、突然の交通事故で兄ジェイソンがこの世を去ってしまう。
それぞれのかたちで死と向き合った3人の人生は、引き寄せ合うように交錯していく。
ヒア アフター(2010)
アメリカ
HEREAFTER [129分]
管理人評価
★★★
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ドラマ/ファンタジー/ロマンス | |
クリント・イーストウッド | |
マット・デイモン (ジョージ・ロネガン) セシル・ドゥ・フランス (マリー・ルレ) フランキー・マクラレン (マーカス/ジェイソン) ジョージ・マクラレン (マーカス/ジェイソン) ジェイ・モーア (ビリー・ロネガン) ブライス・ダラス・ハワード (メラニー) マルト・ケラー (ルソー博士) ティエリー・ヌーヴィック (ディディエ) デレク・ジャコビ (本人役) |
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死に触れて、前を向く。 | |
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まず、最初の津波の映像がリアルで苦しいですね。
巨大な力に何の抵抗も出来ず、車や家などと流されるなんて、本当に想像しただけでも怖いです。
それをこうして映像にされると、背すじがぞっとしました。
大量の海水を飲み、車に激突されたにもかかわらず、奇跡的に息を吹き返したマリー。
そんな辛い経験をして精神的ダメージも大きい中、仕事も恋人も失うなんて悲し過ぎます。
しかし、死の淵で見た光景を追求した本を書いた事で、かけがいの無い出会いをする事になりました。
一方、手を触れた人の会いたい死者と会話が出来るジョージ。
いんちきな商売をしている人が多い中、実際に特別な能力を持っていると、それを”呪い”だと思ってしまうのですね。
その秘密は隠しておく事も出来ず、親しくなった人からは遠ざけられる苦しい状態。
そりゃ、逃げ出したくもなりますね。
そして、幼くして双子の兄を亡くしたマーカス。
薬物中毒の母親とも引き離され、孤独に苛まれる姿が、あまりに切なくて見ているこちらも胸が痛かったです。
身近な人を突然亡くしてしまった場合、その人の言葉を聞く事で受け入れる事が出来るのでしょうか。
前を向いて生きる為には、小さくても支えが必要なのでしょうね。
三人が集まったロンドンでのブック・フェア。
ここがそれぞれの転機となりましたね。
ここまで苦しかった分、それぞれを理解してくれる存在に出会えた所が、一番盛り上がりました。
最後も明るい未来を期待させてくれる終わり方で、後味も良かったです。
今はまだ身近に感じられない死ですが、これから先いつ襲われるか分かりません。
その時により理解出来るようになる作品だなと思いました。