--REIの映画感想--

全体的にネタばれがありますので、未見の方は注意して下さいませ
評価の★の内容は次の通りです
管理人の独断に基づいておりますのでご了承くださいませ
★★★★★:大好き!何度も観たい作品!
★★★★:好き!強く心に残る作品!
★★★:なかなか良い
★★:まあまあ損はしない
★:いまいちかも・・・
X:二度と観たくない


[ List ]
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[カ] [] [] [] []

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spink.gif 母さんがどんなに僕を嫌いでも(2018)   日本     [104分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/実話
監督 御法川修
出演者 太賀      (タイジ)
吉田羊     (光子)
森崎ウィン   (キミツ)
白石隼也    (大将)
秋月三佳    (カナ)
小山春朋    (タイジ:幼少期)
斉藤陽一郎   (タイジの父親)
おかやまはじめ (婆ちゃんの弟)
木野花     (婆ちゃん)
コピー 20年以上、母の愛をあきらめなかった息子の実話
あらすじ
幼いタイジは美しい母・光子が大好きだった。
しかし光子はいつも情緒不安定で、タイジに対して容赦なく苛立ちをぶつけてしまう。
17歳になり、光子の虐待に耐えかね、ついに家を飛び出した。
23歳になり、良い会社に入ったタイジに、突然光子から電話がかかる。
感想
まさか実話だったとは・・・。
現実はそんなに上手くは行かないよね、と思ってたから、ある意味実話で良かったです。

私も母親と上手くいってなかったもので、タイジの気持ちは痛いくらい分かりました。
大嫌いになりたいけどなれない大好きな人。
それが母親です。

今は仲良いので、あの頃なんであんなに嫌だったのか、あやふやになってますが、里帰り出産したくないくらい距離があったと思います。
結局、その里帰り出産で助けられ、普通の関係になったんですけどね。

タイジはぶたれたり、施設に入れられたりしたので、虐待の具合は全然ひどいです。
体には虐待の痣、先生に病院に連れていかれるほどの精神状態。
それでもそんな母親に寄り添い続け、相手の心を開かせたのです。

その陰には良い友人がいました。
大人になってからの友人で、ここまで親身になってくれるなんて、良い出会いに感謝ですね。
特にキミツなんて鼻持ちならないヤツだったのに、実は情に厚いなんてカッコ良過ぎます。

自分が母親になった今、子供たちに手をあげる事はなくても、イライラを表に出してしまう事は多々あり、反省の日々です。
24時間365日仏様のような人なんていないけど、出来るだけ健やかに穏やかに接したいとは思います。

やっぱり拒否されながらも母を思う姿に涙が出ました。
彼の一途な思いは母親に届いたけど、そう上手くはいかない事もあると思います。
そう思うと周りの母と仲良くしろというプレッシャーは辛いかな。
死ぬまで改心出来ない人もいるしね・・・。

漫画原作作品。
鑑賞日 2021.09.12

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spink.gif 母べえ(2007)   日本     [132分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ
監督 山田洋次
出演者 吉永小百合     (野上佳代)
浅野忠信      (山崎徹)
檀れい       (野上久子)
志田未来      (野上初子)
佐藤未来      (野上照美)
中村梅之助     (藤岡久太郎)
笹野高史      (小菅刑事)
でんでん      (隣組組長・福田)
神戸浩       (福田健一)
近藤公園      (小宮山)
茅島成美      (渡辺夫人)
吹越満       (杉本検事)
左時枝       (藤岡ふみ)
小林稔侍
倍賞千恵子     (野上初子(大人)
戸田恵子      (野上照美(大人)
大滝秀治      (野村医師)
笑福亭鶴瓶     (藤岡仙吉)
坂東三津五郎    (野上滋)
コピー 何もなくても、母の手があった。
悲しくても、母の胸があった。
あらすじ
昭和15年の東京。
野上佳代は、夫と2人の娘と共に、慎ましくも幸せな毎日を送っていた。
お互いに“父(とう)べえ”“母(かあ)べえ”“初べえ”“照べえ”と呼び合う野上家。
そんな中、突然夫:滋が反戦を唱えた事を理由に、治安維持法で投獄されてしまう。
感想
戦争という時代に飲み込まれ、不幸な生活を余儀なくされた家族の物語です。
自由な言動が許されなかった時代。
少しでも反戦などと言うと、逮捕され投獄されてしまうのです。
ノミシラミだらけの環境、食事も臭くて食べられない。
そんな夫に寄り添い続け、臨時教員をして、子供二人を育てた母べえ。
涙無しには見れない物語です。

夫:滋が逮捕されてからは、その妹である久子がお手伝いに来てくれました。
美術学校に通う彼女は、絵は上手いけど料理は下手なんです。
でも、彼女のおかげで照べえは、美術の先生になったんだし、かなり影響を与えてくれました。
それだけに広島出身の彼女の最期が悲し過ぎます。

そして、もう一人、滋の教え子である山ちゃん。
極度の近眼で片方の耳が聞こえない為、兵隊になれなかった彼は、野上家の唯一の男手として、色々と活躍してくれました。
金づちで情けない所もあるけど、母べえたちにとっては、頼りになる存在でした。
確かにこんなに熱心に通ってくれる理由は、それしかありませんよね。
彼に赤紙が来てお別れを言いに来た時の、母べえの台詞が胸に刺さって涙が出ました。

この時代は、こんなお話ばかりですよね。
父、息子が兵隊に取られた人、空襲で亡くなった人、飢餓で亡くなった人、憲兵に連れて行かれた人。
こうした不幸を教訓として、もう二度と戦争を起こしてはいけません。

この令和の時代にも、世界では戦争が各地で起こっています。
こうした悲劇も沢山起こっている事でしょう。
平和がどんなに尊いものか。
ニュースを見る度に身に染みています。

印象に残っているのは、山口からやって来て、警察関係者の旅館で、すき焼き用の卵を机から吸い取る佳代の父親。
もったいないのは分かるけど、あまりに下品で衝撃的でした。
滋の事を非国民と罵っていたけど、彼も褒められた人格ではないという表現方法なのか?
それとも、貴重だった卵を大切にしただけの事?

あと、キャストに小林稔侍さんのお名前がありますが、どこに出ているのか分かりませんでした。

小説原作作品。
鑑賞日 2023.11.10

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spink.gif カーズ(2006)   アメリカ
  CARS  [122分]
管理人評価   ★★★
ジャンル フルCG/ファンタジー/アドベンチャー
監督 ジョン・ラセター
出演者 〈声の出演〉
オーウェン・ウィルソン   (ライトニング・マックィーン)
ポール・ニューマン     (ドック・ハドソン)
ボニー・ハント       (サリー)
ラリー・ザ・ケイブル・ガイ (メーター)
チーチ・マリン       (ラモーン)
トニー・シャルーブ     (ルイジ)
グイド・クアローニ     (グイド)
ジョージ・カーリン     (フィルモア)
ボブ・コスタス       (ボブ・カトラス)
リチャード・ベティ     (キング)
マイケル・キートン     (チック・ヒックス)
ジョン・ラッツェンバーガー (マック)
コピー 今度の《奇跡》は、[クルマの世界]に起こります。
あらすじ
そこは、クルマたちが人間と同じように生活している<クルマの世界>。
ピストン・カップの若き天才レーサー:ライトニング・マックイーン。
自己中心的な性格が災いし、仲間から嫌われていた。
ある日、レース会場への移動中、ふとした事故から小さな田舎町“ラジエーター・スプリングス”に迷い込んでしまう。
思いがけずこの町に足止めをくらってしまい、早くレース会場に戻らねばと焦るマックイーン。
しかし、のんびりとした時間が流れるこの町で、奇妙なクルマたちと一緒に過ごすうち、マックイーンの心にも少しずつ変化が見え始める。
感想
なかなか面白かったです。
物語としてはありふれているものなのですが、ディズニー特有のオモシロキャラたちの魅力で、最後まで見せてくれました。

マリオカートでも酔ってしまう程、車に弱い私ですが(汗)、この作品は大丈夫でした。
迫力あるレースシーンは臨場感満点で、思わず避けてしまうほどです。
カーズならではの世界を満喫できました。

一番好きだったキャラは、弁護士のサリー。
都会から田舎の町に来て、すっかりこの町に魅了されてしまった彼女。
物腰も柔らかく、ライトニング・マックイーンが惚れてしまうのも分かります。
彼女とのデートの時は、こちらもニヤニヤしながら見てました。

最後はちょっと出来過ぎだけど、まあそれだけライトニング・マックイーンが改心したって事ですよね。
そういう事で受け入れたいと思います。

ただメーターはちょっと苦手かな。
声優のぐっさんは頑張ってたけど、個人的に苦手なタイプ。
ちょっと抜けてる可愛いキャラなのに、はまらなかったのは痛かった・・・。

まだまだ続くそうなので、追いかけていきたいと思います。

ディズニーピクサー長編アニメ第7作目。

カーズ2
カーズ/クロスロード
鑑賞日 2017.08.29

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spink.gif カーズ2(2011)   アメリカ
  CARS 2 [113分]
管理人評価   ★★★
ジャンル フルCG/ファンタジー/アドベンチャー
監督 ジョン・ラセター
出演者 ラリー・ザ・ケイブル・ガイ  (メーター)
オーウェン・ウィルソン   (ライトニング・マックィーン)
ボニー・ハント       (サリー)
トニー・シャルーブ     (ルイジ)
グイド・クアローニ     (グイド)
マイケル・ケイン      (フィン・マックミサイル)
エミリー・モーティマー   (ホリー・シフトウェル)
ジェイソン・アイザックス  (シドレー)
エディ・イザード      (マイルズ・アクセルロッド)
ジョン・タトゥーロ    (フランチェスコ・ベルヌーイ)
トーマス・クレッチマン   (ザンダップ教授)
ジョー・マンテーニャ    (グレム)
ピーター・ジェイコブソン  (エーサー)
フランコ・ネロ       (アンクル・トッポリーノ)
ヴァネッサ・レッドグレーヴ (女王/ママ・トッポリーノ)
ブルース・キャンベル    (ロッド・トルク・レッドライン)
コピー 彼らの“友情”が“世界”を救う!
あらすじ
天才レーサーにしてラジエーター・スプリングスの人気者“ライトニング・マックィーン”は、ひょんな成り行きからワールド・グランプリに出場することに。
そこで、大親友にしておんぼろレッカー車の“メーター”をピット・クルーのメンバーとして帯同させる。
しかし、日本を皮切りに、イタリア、イギリスと各地を転戦しながらトップレーサーたちがしのぎを削る過酷なレースの世界に田舎町からやって来たメーターは戸惑いを感じるばかりで、マックィーンの足を引っ張ってしまう。
感想
これは「カーズ」より面白いじゃないか!!
しかも、「前作」で苦手だったメーターの大活躍がすごく良かった!
監督のメーターへの愛情をひしひしと感じる作りでしたね。
それを見て、私もすっかりメーターの事が好きになっちゃいました。

今回のお話は、ライトニング・マックィーンは表のレース、メーターは裏で事件を解決していく、という形で進んで行きました。
いつもの調子のメーターが事件を解決する訳ではなく、勘違い思い違いがたまたま上手くいってしまうんです。
周りの諜報員の人たちも、何でメーターを諜報員と間違っちゃったのかな。
そう思うくらい強引ではあるのですが、最後の最後はカッコ良く決めて、一気に好感度が上がりました。

今回はメーターが主役なので、ライトニング・マックィーンはあまり見せ場はないのですが、いつもの掛け合いが面白いので、その辺りは、とてもバランス良く作られていたと思います。

まだまだ続きがあるようなので、制覇したいと思います。

ディズニーピクサー長編アニメ第12作目。

カーズ
カーズ/クロスロード
鑑賞日 2017.08.30

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spink.gif カーズ/クロスロード(2017)   アメリカ
  CARS 3  [102分]
管理人評価   ★★★
ジャンル アニメ/アクション/アドベンチャー
監督 ブライアン・フィー
出演者 <声の出演>
オーウェン・ウィルソン   (ライトニング・マックィーン)
クリステラ・アロンツォ   (クルーズ・ラミレス)
アーミー・ハマー      (ジャクソン・ストーム)
クリス・クーパー      (スモーキー)
ネイサン・フィリオン    (スターリング)
ケリー・ワシントン     (ナタリー・サートゥン)
リー・デラリア       (ミス・フリッター)
ラリー・ザ・ケイブル・ガイ (メーター)
ボニー・ハント       (サリー)
トニー・シャルーブ     (ルイジ)
グイド・クアローニ     (グイド)
ポール・ドゥーリイ     (サージ)
ジョン・ラッツェンバーガー (マック)
キャサリン・ヘルモンド   (リジー)
ジェニファー・ルイス    (フロー)
チーチ・マリン       (ラモーン)
ルイス・ハミルトン     (ハミルトン)
ポール・ニューマン     (ドック・ハドソン)
コピー 夢の続きか、新たな人生か?
あらすじ
華々しい活躍を続けてきた天才レーサー、ライトニング・マックィーンだったが、最新テクノロジーを駆使した新世代レーサーの台頭に押され、ついにはシーズン最後のレースで大クラッシュを起こしてしまう。
すっかり自信を失い、一度は再起を諦めかけたマックィーンだったが、親友のメーターや恋人サリーら地元の仲間たちの励ましで、再びやる気を取り戻す。
そして自らもトレーニングに最先端の知識とテクノロジーを導入することを決意。
最新施設“ラスティーズ・レーシングセンター”で若きトレーナー、クルーズ・ラミレスの指導の下、新たなトレーニングに挑戦する。
感想
人気シリーズの3作目です。
はいはい、いつもの展開ね。と余裕をかましていると、清々しいほど気持ちよく裏をかかれて、ファンタジーと現実の向こう側を見れたという気持ちになれました。
自分で書いててもまとめきれてないなと思うのですが、簡単に言うとそれくらい楽しめたという事です。

新たなライバルが出てきて、彼に対抗するために無理をし事故を起こしてしまうマックィーン。
再起を誓い修行の旅に出て、トレーナーのクルーズ共にグングン実力を伸ばしていきます。
やっぱりマックィーンには、こういうアナログな練習方法があってますよね。
そして、最新テクノロジーの中で育ってきたクルーズにとっても、それらの練習は意味のあるものになっていきます。
彼女がマックィーンとの練習で、どんどん強くなっていく過程は小気味良かったです。

ここが丁寧に描かれていた意味は、終わってからの方がしっくりきますね。
マックィーンの教え方の上手さとか、クルーズの吸収力の高さとか。
二人の相性が良かったからこそ、最後へ向かっての盛り上がり方も素直に受け入れられたのかなと思います。

感想書いてたら、これはネタバレコーナーにした方が良いなって文章が大半になってしまったので、↓で載せておきます。
興味のある方はどうぞ。

ディズニー作品。
ピクサー長編アニメ第18作目。

カーズ
カーズ2
ここからはネタばれです。ボタンをクリックで開閉します
鑑賞日 2019.10.17

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spink.gif カーリー・スー(1991)  アメリカ
 CURLY SUE  [102分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/ファミリー
監督 ジョン・ヒューズ
出演者 アリサン・ポーター        (カーリー・スー)
ジェームス・ベルーシ       (ビル・ダンサー)
ケリー・リンチ          (グレイ・アリソン)
ジョン・ゲッツ          (ウォーカー)
フレッド・ダルトン・トンプソン  (バーナード)
スティーヴ・カレル        (テシオ)
ジョン・アシュトン        (フランク・アーノルド)
コピー ガビューンと日本上陸!
世界で一番 ちっちゃなサギ師。
あらすじ
エリート女弁護士グレイの家に転がりこんだホームレスコンビ:ビルとカーリー。
最初は彼女の同情をかって住んでいたが、その同情心はだんだんと愛情に変わっていく。
感想
カーリー・スーがめちゃくちゃかわいい!!
すんごい大食いするし、夜中にいきなりアメリカ国歌歌い出すし、タイツが痒いって床でゴロゴロするしね…。

最後にビルと再会するシーンは感動しますね。
絶対あの電車が関係してると思ってたらスーと一緒に私もびっくりしました!!
あんまり書くとネタばれになるのでこの辺にしときますが、いいラストでした。

なんかある種のシンデレラストーリーです。
おしゃれさせてもらったスーは、本当にかわいかった。

こんなに人のいい女性も滅多にいないけど、ストーリーが良かったからそんなことは何の問題もないですね。
本当の親子じゃなくても親子愛は確実に育まれているんだなぁと、しみじみ思っちゃいました。
親子愛万歳!!
鑑賞日 2002.06.26

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spink.gif カールじいさんの空飛ぶ家(2009)   アメリカ
  UP  [103分]
管理人評価   ★★★
ジャンル アニメ/アドベンチャー/コメディ
監督 ピート・ドクター
出演者 〈声の出演〉
エドワード・アズナー   (カール・フレドリクセン)
ジョーダン・ナガイ    (ラッセル・キム)
ボブ・ピーターソン    (ダグ)
クリストファー・プラマー (チャールズ・F・マンツ)
デルロイ・リンドー    (ベータ)
ジェローム・ランフト   (ガンマ)
エリザベス・ドクター   (エリー:子供時代)
ジェレミー・レアリー   (カール:子供時代)
コピー 愛する妻が死にました──
だから私は旅に出ます。
あらすじ
古いけれど手入れの行き届いた一軒家に暮らす老人カール・フレドリクセン。
開発の波が押し寄せる中、頑なに家を守り抜いてきた。
そこは、いまは亡き最愛の妻エリーとの素敵な思い出に満たされた、かけがえのない場所だった。
しかし、ついにカールは家を立ち退き、施設に入らなければならなくなる。
そして迎えた立ち退きの日の朝。
なんとカールは無数の風船を使って家ごと大空へと舞いあがった。
それは、エリーと約束した伝説の場所“パラダイス・フォール”への大冒険の始まり。
ところがその時、少年ラッセルが空飛ぶ家の玄関にへばりついていた。
驚いたカールは渋々ながらもラッセルを招き入れ、一緒に旅をする事になった。
感想
思っていたよりも壮大なスケールの大冒険でした。
風船で家を飛ばすという夢のある設定が、無理なく存在している世界。
飛行機の飛ぶような高度でも、窓は割れることなく、安定して飛ぶことが出来ます。
色々とツッコミどころはありますが、そこは夢の世界のお話という事で。

そんな空飛ぶ家で憧れのパラダイス・フォールを目指すカールじいさん。
ひょんな事から一緒に旅をする事になった少年ラッセル。
ぶつかり合いながらも困難を一緒に乗り越え、いつしかかけがえのない仲間となっていきました。
上陸した南アメリカの土地には、珍しい大きな鳥や喋れる装置をつけた犬など、個性的な面々も。
浮いてる家を自力で引っ張りながら、パラダイス・フォールまで歩くというのは、あまりのぶっ飛び設定に焦りましたが、ちょっとした荷物くらいの感覚だったので、すぐに違和感も取れました。

未開の地で出会ったのは、憧れの冒険家チャールズ・マンツ。
彼はまだこの土地で、犬たちと一緒に生活していたんです。
しかし、幻の鳥を捕まえる事にのめり込み過ぎて、攻撃的な人物になってしまっていました。
せっかく憧れの人に会えたのに、敵になってしまうなんて残念な事です。
でも、大事な仲間を傷付けられたら、黙ってられませんもんね。

カールじいさんの活躍が素晴らしかったです。
杖をついていたなんて思えないほどの俊敏な動き。
飛行船の外側を登る腕力もすごい!
仲間の事になると火事場のクソ力が出るんですね!
ラッセルも微力ながら頑張っていました。
彼の純粋な思いが、カールじいさんを奮い立たせたんです。

弱い立場の者たちが、力を合わせて大きな力に立ち向かう様は、とても小気味良かったです。
新たな生きがいが見つけられて、まだまだ長生きしちゃいますね。
見た目は怖いけど、情の深いカールじいさんのキャラも良かったです。
いつも家に向かって「エリー」って話しかけるのが微笑ましい。
ラッセルくんもブサ可愛い珍しいキャラでしたけど、内面は正義感の強い男らしい性格でした。
良い友達が出来て良かったね。

ディズニーピクサー長編アニメ第10作目。
鑑賞日 2018.09.30

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spink.gif 海外特派員(1940)   アメリカ  白黒
  FOREIGN CORRESPONDENT  [120分]
管理人評価   ★★★
ジャンル サスペンス
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演者 ジョエル・マクリー (ジョン・ジョーンズ/ハントリー・ハヴァーストック)
ラレイン・デイ      (キャロル・フィッシャー)
ジョージ・サンダース   (スコット・フォリオット)
ハーバート・マーシャル  (スティーヴン・フィッシャー)
アルバート・バッサーマン (ヴァン・メア)
ロバート・ベンチリー   (ステビンズ)
エドマンド・グウェン   (ロウリー)
エドュアルド・シャネリ  (クルーグ)
ハリー・ダヴェンポート  (パワーズ社長)
コピー 映画史上に輝く絢爛たる面白さ!
ヒッチコック・サスペンス最高の傑作!
世界を揺るがす大事件!
核心に迫る海外特派員!
そこに待ちうけていた謎は?
アッと驚くスリル!サスペンス!
壮大なスケールで叩きつける
スパイ・アクション!
あらすじ
1939年初頭。
戦争勃発の危機に揺らぐヨーロッパの取材に、一人の米国人記者ジョーンズが派遣された。
ロンドンに着いた彼は、戦争防止同盟の要、オランダの元老ヴァン・メアに会う。
しかしその後、アムステルダムの平和会議会場前でメア氏が射殺されてしまう。
犯人を追跡するうち迷い込んだ風車小屋で、彼はナチの手で誘拐されたメア氏を発見。
実は目の前で撃たれたのは、メア氏の替玉だったのだ。
感想
特ダネを仕入れる為にロンドンに派遣された記者が、開戦に関わる重要な事件に巻き込まれるいうサスペンスです。
さすがヒッチコック監督という緊張感。

大衆の目の前で取材相手が射殺されるショッキングなシーンから、車での追跡劇へ。
古い風車小屋で敵から見つからないように、拉致されていたメア氏に接触するのもヒヤヒヤものです。

舞台もホテルで狙われ窓の外に追いやられたり、展望台で落とされそうになったり、飛行機が誤射されて墜落したり、海の上で翼に乗って救出を待ったりと、色々な所が使われてましたね。
こんな展開になると思っていなかったので、思いがけず楽しめました。

そして、最後のアメリカへ向けての放送が、今のウクライナの状況と重なってグッと来ましたね。
第二次世界大戦の時もこうして始まったのだと思うと、今の戦争も簡単には終わらないのだと再確認させられました。

今回も監督が映り込むシーンがあったんですか!?
全然気付けませんでした。
もう一度確認したいと思います。
鑑賞日 2022.06.10

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spink.gif カイジ 人生逆転ゲーム(2009)   日本     [130分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/サスペンス/ギャンブル
監督 佐藤東弥
出演者 藤原竜也   (伊藤開司)
天海祐希   (遠藤凛子)
山本太郎   (船井譲二)
光石研    (石田光司)
吉高由里子  (石田裕美)
鈴木亮平   (黒服)
中村靖日   (太田)
宇野祥平   (ゼッケン2番の男)
もたいまさこ (屋形船の女将)
松山ケンイチ (佐原誠)
佐藤慶    (兵頭和尊)
松尾スズキ  (大槻太郎)
香川照之   (利根川幸雄)
コピー 考えろ、裏をかけ。
そして未来を手に入れろ。
あらすじ
定職に就かず、その日暮らしの自堕落な生活を送る伊藤カイジ、26歳。
そんな彼のもとにある日、遠藤凜子と名乗る悪徳金融会社の女社長が借金の取り立てにやって来る。
カイジは友人の借金の保証人になっており、利子が積み重なった負債総額は202万円にまで膨れ上がっていた。
そんな金があるわけもないカイジに遠藤は、“一夜にして借金を帳消しに出来るどころか、大金を手にするチャンスがある”と提案を持ちかけ、豪華客船エスポワール号に乗ることを勧めてくる。
感想
原作の漫画は見た事ありませんが、モノマネ芸人さんがやっていた「キンキンに冷えてやがる!」や「ざわざわ」は知っていました。
やはりそれが出た時は盛り上がります!
また藤原竜也さんの言い方が上手いんですよね。
これは真似したくなりますよ。

思ってたよりは全然楽しめました。
カイジが勝つんだろうというのは分かっていても、どうやって勝つかを予想しながらの鑑賞です。
最初の血のついたカードのトリックを、最終戦にも持ってくるとか、一回見ている手でどうやって勝つんだ?とドキドキさせられました。
地下帝国のペリカとか弱ってる者につけ込んで搾取するやり方とか、どこまでも卑しくて最悪な世界であればあるほど、鼻先の人参が輝いて見えますね。
これは原作漫画が人気なのも納得です。

漫画の世界感をそのまま体現している俳優さんたちの顔芸も素晴らしい!
顔芸がお得意な香川照之さんはもちろん、主役の藤原竜也さんも負けてません!
あまりの迫力に思わず笑ってしまいました。

CMで「2」は原作漫画で一番人気のエピソードと言っていたので、すごく期待しています。
このクオリティのまま続いてくれてると良いな。

漫画原作作品。

《関連作品》
カイジ2〜人生奪回ゲーム〜(2011)
カイジ ファイナルゲーム(2019)
鑑賞日 2022.04.29

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spink.gif カイジ2〜人生奪回ゲーム〜(2011)   日本     [133分]
管理人評価   ★★
ジャンル サスペンス
監督 佐藤東弥
出演者 藤原竜也  (伊藤カイジ)
伊勢谷友介 (一条聖也)
吉高由里子 (石田裕美)
生瀬勝久  (坂崎孝太郎)
香川照之  (利根川幸雄)
松尾スズキ (大槻太郎)
柿澤勇人  (村上保)
白石隼也  (三好智広)
光石研   (石田光司)
嶋田久作  (黒崎義裕)
宇梶剛士  (喫茶店のマスター)
コピー おかえり、クズの皆様。
あらすじ
命懸けのゲームを勝ち抜き、多額の借金を帳消しにして人生の大逆転を果たした伊藤カイジ。
しかし、またしても借金まみれで地下の強制労働施設送りとなってしまう。
仲間たちからの期待を背に、2週間だけ地上に戻ることを許され、その間に2億円を稼がなければならなくなった。
そんな彼が挑むのは、帝愛グループの裏カジノが誇る当たれば10億円以上というモンスターマシーン、通称“沼”だった。
感想
前作よりは緊張感とか足りないかな。
「姫と奴隷」は多少緊張感があったけど、序盤という事もあり、意外にあっさり終わってしまいました。

”沼”の巨大パチンコは迫力ありましたね。
当たれば13億という規格外の大きさとお金。
色々な仕掛けを使って攻略しようと試みますが、ことごとく失敗。

そんな中、元帝愛幹部の利根川と手を組み、更に緻密な作戦で挑みます。
まさかの大胆な作戦で”沼”を追い詰めるカイジたち。
これはあまりに強引な方法で、お金を掛ければ絶対勝てるという状況だったので、素直に楽しむ事が出来ませんでした。

今回は相手との駆け引きとか関係なしで、帝愛の機械をちょっとずつ攻略していく方式でしたね。
お金の為ならどこまでも貪欲になれるカイジたち。
色々な所にアンテナをはっていたカイジたちに軍配が上がりました。

前作では最後にだけ登場した石田の娘:裕美。
今回はキーとなる人物でしたね。
意外と冷静に状況を分析出来る女性で、勝つ方に乗るという身替わりの早さが武器でした。
ただ虐げられるだけだった父の生き方を教訓にして強く生き抜く頼もしさがありました。

最後はやっぱりな展開。
でも、あの爆発には笑いました。
気持ち良いほどぶっ飛んでましたね。
でも、これがカイジらしいと思えるので良かったです。

さて「3」はどんな展開になるのやら。
一気に制覇しちゃいたいと思います。

漫画原作作品。

《関連作品》
カイジ 人生逆転ゲーム(2009)
カイジ ファイナルゲーム(2019)
鑑賞日 2022.05.02

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spink.gif カイジ ファイナルゲーム(2019)   日本     [128分]
管理人評価   ★★
ジャンル サスペンス
監督 佐藤東弥
出演者 藤原竜也  (伊藤カイジ)
福士蒼汰  (高倉浩介)
関水渚   (桐野加奈子)
山崎育三郎 (西野佳志)
前田公輝  (高瀬強士)
瀬戸利樹  (菅原太一)
篠田麻里子 (最後の審判挑戦者)
新田真剣佑 (廣瀬湊)
松尾スズキ (大槻太郎)
生瀬勝久  (坂崎孝太郎)
天海祐希  (遠藤凛子)
金田明夫  (渋沢総一郎)
伊武雅刀  (東郷滋)
吉田鋼太郎 (黒崎義裕)
コピー これで最後だ。
あらすじ
国中が熱狂した東京オリンピックの終了を機に、景気が急速に悪化していった日本。
自堕落な生活を送る伊藤カイジもまた、薄給の派遣生活でカツカツのその日暮らしを続けていた。
ある日、そんなカイジに声を掛けてきたのは、帝愛グループ企業のひとつを任される社長にまで出世したという大槻太郎。
彼がカイジに見せた一枚のチラシには、またしても巨額の賞金が懸けられた過酷なゲームを知らせるものだった。
感想
いよいよ最後のカイジ作品です。
今回も命を懸けたゲームに挑みます。
でも、やっぱり「1」のような緊張感はありません。
規模はカイジ自身というより、日本の命運をかけた戦いになっているので、ヒリヒリするような駆け引きではないんですよね。

ちょこまかした小細工はしない代わりに、またしても大掛かりな細工をしていたカイジ。
最初に出てきた時計職人が活躍するとは、油断も隙もあったもんじゃありません。
やはり勝負をする時は、絶対に勝つ道筋をつけてから臨むのですね。
やっとカイジの戦い方が分かってきました。

また重要な場面でも、あくまでゲームをするというのが徹底されています。
あくどい法案が可決されてしまうかどうかの瀬戸際で、まさかジャンケン勝負が適用されるとは驚きでした。
多額のお金がかかっているだけに、そこにも何重もの保険がかけられているのです。

まあ、真剣佑くんの正体は予想が付きました。
しかし、まさかここまでの僅差で勝負が争われるとは意外でした。
最後の決め手は額縁の分のコイン。
上手い決着の付け方でした。

相変わらず藤原竜也くんの迫力ある演技が見事ですね。
超顔の近い「自業自得」返しには、思わず笑っちゃいました。
言われてる吉田鋼太郎さんの顔に唾がかかり放題です。(笑)

そして最後はいつもの展開。
一体どれだけ体を張ったら現金を手に入れられるのでしょうね。
「キンキンに冷えてやがる!悪魔的だ〜!」が聞けて良かったです。

GWに一気にカイジを制覇出来ました。
有意義な連休を過ごせて満足してます。
また続編が出たら見たいと思いました。

漫画原作作品。

《関連作品》
カイジ 人生逆転ゲーム(2009)
カイジ2〜人生奪回ゲーム〜(2011)
鑑賞日 2022.05.04

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spink.gif 海賊とよばれた男(2016)   日本     [145分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ
監督 山崎貴
出演者 岡田准一  (国岡鐡造)
吉岡秀隆  (東雲忠司)
染谷将太  (長谷部喜雄)
鈴木亮平  (武知甲太郎)
野間口徹  (柏井耕一)
ピエール瀧 (藤本壮平)
綾瀬はるか (ユキ)
堤真一   (盛田辰郎)
近藤正臣  (木田章太郎)
黒木華   (小川初美)
光石研   (国岡万亀男)
國村隼   (鳥川卓巳)
小林薫   (甲賀治作)
コピー 戦う理由は、未来にある――。
あらすじ
石油の将来性に目を付け、石油販売業を始めた青年、国岡鐡造。
彼は“店員は家族と同然”と従業員との絆を大切にし、既得権益が強固な石油業界を相手に、破天荒な発想と行動力で販路を拡大していく。
やがてその存在は石油メジャーも無視できないほど大きくなり、ついには石油の輸入ルートをすべて封鎖されるという絶体絶命の窮地に陥る。
そこで鐡造は、危険な一手に打って出る。
感想
面白かったです。
色々な時代に飛ぶんですけど、話の流れはスムーズで、国岡鐡造という人物の事が良く分かる作りになっていました。
また主役の岡田准一さんが素晴らしかった!
若い時ははつらつと活き活きした青年を。
60代は威厳のある大人の男性を。
巧に演じ分けていて、本当に見応えのある作品になっていました。

戦後に石油配給統制会社に入れてもらえず追い込まれる国岡商店。
そんな時もラジオの修理事業を受け合い、細々と商店を続けていくんです。
こういう所でも考え方が柔軟で、荒波を乗り越える根性というものを感じます。

満州鉄道の仕事をメジャーな企業と争った時も、わざわざ現地に赴き、そこの従業員から重要なヒントを得て、氷点下でも凍らない油を作り出した鐡造。
しかし、大企業の影響力は大き過ぎて、国岡商店は勝負に勝ったのに仕事には繋がりませんでした。

いつもこれからという時に敵が出てきて戦いになってしまうんですよね。
商売というのは、そういう物なのかもしれませんが、長い物に絶対巻かれない鐡造は、敵が多くて戦いの数も半端ないです。
事業が拡大していくと同時に敵も大きくなっていき、とうとう世界で戦う企業家にまで成長しました。

イランに石油を買いに行き、帰りにイギリス海軍の戦艦と遭遇した時は、本当にドキドキさせられましたよ。
しかも、もう大丈夫だろうと気を抜いた時だったから尚更です。
戦い方を心得ていたからこそ、この危機を回避できたんでしょう。
この時は心からほっとしました。
これからあの「日章丸事件」へと発展していくのですね。

モデルは出光興産創業者の出光佐三さんだそうです。
いつも適当にガソリンを入れてるけど、この作品を見ると出光で入れようって思います。
鑑賞日 2018.11.06

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spink.gif 怪盗グルーのミニオン危機一発(2013)   アメリカ
  DESPICABLE ME 2  [98分]
管理人評価   ★★
ジャンル アニメ/アドベンチャー/コメディ
監督 ピエール・コフィン
クリス・ルノー
出演者 <声の出演>
スティーヴ・カレル    (フェロニアス・グルー)
クリステン・ウィグ    (ルーシー・ワイルド)
ベンジャミン・ブラット  (エドアルド/アル・マッチョ)
ミランダ・コスグローヴ  (マーゴ)
ラッセル・ブランド    (ネファリオ博士)
スティーヴ・クーガン   (サイラス)
ケン・チョン       (フロイド・イーグル)
エルシー・フィッシャー  (アグネス)
デイナ・ゲイアー     (イディス)
モイセス・アリアス    (アントニオ・ペレス)
コピー 誰もが失いたくない仲間がいる!!
あらすじ
引き取った孤児院育ちの三姉妹と、イタズラ好きの黄色い軍団ミニオンたちとの平穏な毎日を送る元怪盗のグルー。
そんなある日、世界的な悪に立ち向かう極秘組織“反悪人同盟”の美人エージェント、ルーシーから強引なスカウトを受ける。
彼女を相棒にし捜査にあたることになったグルー。
そんな折り、彼の家から無敵のチームであるミニオンたちが何者かにさらわれてしまう。
感想
TVで放送されていたから見たけど、これは「2」なんですね。
なんで、グルーが孤児院育ちの三姉妹を引き取ったかが分からないので、あまり楽しめませんでした。
やっぱり順番に見るって大切ですね。(今更)

あと、吹き替えが笑福亭鶴瓶さんだったのも入り込めない原因かな。
シュレック」の浜ちゃんと同じ違和感を感じました。
また内容がルーシーとのロマンスだから余計なんですよね。
ちょっと私には合わなかったです。

ミニオンたちは相変わらず可愛かったです。
黄色い子たちがわらわら騒いでいる様子は、見ているだけで癒されます。
しかし、それが紫色になると雰囲気が一変するんです。
1匹であんなに強いんだったら、こんな大群で来られたら地球が滅亡しちゃいますよ。
また戻り方が漫画チックで面白かった!
まずいゼリーが役に立つとはね。

やっぱり順番通り見ないとダメだと痛感した作品でした。
絶対感想違いますもん。
いつか「1」を見てから見直したいと思います。

《関連作品》
第1作「怪盗グルーの月泥棒 3D」
第3作「怪盗グルーのミニオン大脱走(2017)
第4作「ミニオンズ フィーバー(2020)」
スピンオフ「ミニオンズ
鑑賞日 2020.12.19

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spink.gif 怪盗グルーのミニオン大脱走(2017)   アメリカ
  DESPICABLE ME 3  [90分]
管理人評価   ★★★
ジャンル アニメ/アドベンチャー/ファミリー/コメディ
監督 ピエール・コフィン
カイル・バルダ
出演者 <声の出演>
スティーヴ・カレル      (グルー/ドルー)
クリステン・ウィグ      (ルーシー)
トレイ・パーカー       (バルタザール・ブラット)
ミランダ・コスグローヴ    (マーゴ)
デイナ・ゲイアー       (イディス)
ネーヴ・シャレル       (アグネス)
スティーヴ・クーガン     (サイラス/フリッツ)
ジュリー・アンドリュース   (グルーの母)
ジェニー・スレイト      (ヴァレリー)
アンディ・ナイマン      (クライヴ)
ピエール・コフィン      (ミニオンズ)
コピー ボス、ふたご?
あらすじ
大悪党バルタザール・ブラットを取り逃がしたグルーは、反悪党同盟からクビにされてしまう。
落ち込んでいるグルーの元に、双子の兄弟だというドルーから派遣されて来た執事がやって来る。
親の離婚により離れ離れに暮らす事になった二人。
ドルーは悪党として半人前の自分に、悪党としての極意を教えて欲しいという。
感想
ミニオンズシリーズの第3作目の作品です。
ルーシーが新しく家族に加わり、更にパワーアップしたグルーたち。
更に生き別れの双子の兄弟ドルーも現れ、仲間が増えます。
しかし、悪事から足を洗ったグルーに愛想を尽かし、ミニオンズたちは家を出て行ってしまいました。
今回もてんやわんやの大騒ぎでしたね。

敵は80年代に活躍した子役だったバルタザール・ブラット。
輝かしい過去に囚われている彼は、肩パットを好み、80年代音楽を愛している時代遅れの男。
マイケル・ジャクソンばりにダンスが上手くて、その動きを活かして戦う姿は、滑稽ながらも感心してしまいました。

双子のドルーも良い味出してましたね。
悪党として半人前の彼は、敵のアジトでもグルーの足を引っ張ってばかり。
でも、素直だし、愛想も良いし、性格はとても良い青年です。

悪事を働く時のグルーは、身のこなしが完璧で、その道では一流であると再確認させられます。
ドルーというお荷物がいても、これだけ仕事が出来るんだから、普段は朝飯前なのでしょう。

そんなグルーの元を去ったミニオンズたち。
州刑務所から手作りの飛行船で脱走する手際の良さは完璧です。
グルーたちとは別行動でしたが、最後の最後で大活躍でしたね。

「2」「3」を先に見てしまったので、そろそろ「1」を見ておきたい所。
どこかで放送してくれないかな。

《関連作品》
第1作「怪盗グルーの月泥棒 3D」
第2作「怪盗グルーのミニオン危機一発(2013)
第4作「ミニオンズ フィーバー(2020)」
スピンオフ「ミニオンズ(2015)
鑑賞日 2023.11.20

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spink.gif 快楽の園(1925)  イギリス/ドイツ   白黒
 THE PLEASURE GARDEN  [78分]
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演者 ヴァージニア・ヴァリ    (パッツィ)
カルメリータ・ゲラフティ  (ジル・チェイン)
ジョン・スチュアート    (ヒュー)
マイルズ・マンダー     (レヴェット)
ニタ・ナルディ
コピー 劇場未公開
あらすじ
レビューが人気の華やかなナイトクラブ"プレジャー・ガーデン"。
そこでバックダンサーをしていたパッツィは、劇場の入り口で途方に暮れていたダンサーの卵ジルに会う。
彼女は田舎から出てきたばかりで、興行主ハミルトン氏宛ての紹介状を無くして困っていたのだった。
パッツィは、ジルをハミルトンに紹介し、自分の部屋で一緒に暮らす事にした。
それから程なく、ジルは才能を開花させ、押しも押されぬ大スターへと成長した。
華やかな世界に足を踏み入れたジルは、故郷にいる婚約者ヒューの事を忘れ、パッツィにも冷たくなった。
感想
ヒッチコックの初監督作品です。
今まで日本では見られない作品だったようですね。

この映画にヒッチコックは出演していませんでした。
サイレント映画のサスペンスって初めて見ましたが、スリルがあって、緊迫感がちゃんと伝わってきました。
やっぱりヒッチコックはすごいです。
この頃から才能を発揮していたんですからね。

でもパッツィとジルがそっくりで、どっちがどっちだか分からない時がありました。
みんな同じ顔に見えるんですよ。
ただ一人髭の生えたレヴェットだけはすぐ分かりましたけどね。

一時間の中でよく収められたなというくらい、内容の濃い、中身がぐっと詰まった作品でした。
音声が無い分、俳優の表情や身振りが命ですから、この頃の俳優はオーバーアクトだと思うのですが、押さえる所は押さえて、恐怖感を出す演出が良かったと思います。

サイレント映画は優れた作品が多いです。
こういう原点を忘れないように心掛けねばならないと改めて感じました。
鑑賞日 2003.04.24

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spink.gif 回路(2000)   日本     [118分]
管理人評価   
ジャンル ホラー/サスペンス
監督 黒沢清
出演者 加藤晴彦      (川島亮介)
麻生久美子     (工藤ミチ)
小雪        (唐沢春江)
有坂来瞳      (佐々野順子)
松尾政寿      (矢部俊夫)
武田真治      (吉崎)
風吹ジュン     (ミチの母)
菅田俊       (社長)
哀川翔       (従業員)
役所広司      (船長)
コピー 助けて。
あらすじ
平凡なOLミチ。
ある日、ミチの同僚が自殺する。
その後も勤め先の社長が失踪。
次々に友達や家族が消えていく。
一方、大学生の亮介。
最近始めたインターネットで奇妙な現象が起き始める。
異常を察した亮介は、同じ大学で奇妙なインターネット・サイトを研究している春江に相談を持ちかける。
感想
全然面白くありませんでした。
ネットと幽霊の関係が良く分かりません。
だから、正しく怖がれなかったというか、この世界観に入り込めませんでした。

赤いテープが張ってある開かずの扉。
その中に入ると死が訪れるのか?
死ぬ時も最初の同僚の首つりと、工場での女性の飛び降り以外は、影になって灰になるというもので、理解が出来ませんでした。

ネットに映っていた部屋は、開かずの間の中なのか?
川島がアクセスしてしまい、春江に伝えた事で彼女にも被害が及んでしまった。
そっちは分かったけど、ミチの方はどういう事なんだろう。
最初に自殺した同僚がアクセスして、それが広まったって事か。
う〜ん。
全然分かりません。

最終的には、世界中でそういう現象が起こっていたという世界観ですよね。
でも、それがリアルじゃなくて、急に場面転換してしまって、観客は置いてけぼりです。
道路は燃える車などで走れないから、海に逃げるという事だったのか。
遠くに逃げる為に、用意されていたボートにも違和感です。

急に出てきて説明し出した武田真治
彼の言った事が重要だったのですね。
あまりに唐突で流れに乗ってなかったので、素直に受け入れられなかったです。
それで置いてけぼりになってしまったのですね。

結果的に★1つになってしまいました。
世界観に入ってないと、幽霊も怖くないんだと知りました。
やっぱり物語って大事ですね。
鑑賞日 2024.04.11

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spink.gif カイロの紫のバラ(1985)  アメリカ
  THE PURPLE ROSE OF CAIRO  [82分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ロマンス/ファンタジー
監督 ウディ・アレン
出演者 ミア・ファロー      (シンシア)
ジェフ・ダニエルズ    (ギル・シェファード/トム・バクスター)
ダニー・アイエロ     (マンク)
ステファニー・ファロー  (シンシアの妹)
ダイアン・ウィースト   (エマ)
カミーユ・サヴィオラ   (オルガ)
グレン・ヘドリー   (娼婦)
コピー 憧れのスターがスクリーンから抜けだした。
いま、愛を語って
誰よりも心優しく……。
あらすじ
1930年代。
ニュージャージーに住む平凡な主婦シンシアは、夫マンクが無職で遊び歩いている為、ウェイトレスのバイトをしたり、人の家の洗濯物を洗ったりして、生計を立てていた。
そんな彼女の唯一の楽しみは、大好きな映画を観る事だった。
最近は夫が女を家に連れ込んでいたり、バイトをクビになったりと、踏んだり蹴ったりのシンシア。
そんな心の傷を癒すべく、彼女は今日もまた映画を観に行くのだった。
するとスクリーンからトム・バクスター役のスターが飛び出てきたではないか!
彼はシンシアに「5回も見てくれた!君と話しがしたい」と言って一緒に劇場を飛び出した。
感想
これは映画ファンの永遠の夢ですよね〜。
スクリーンから憧れのスターが出てくるなんて!!
そんな想像するだけで興奮してしまいます!
私もユアンに連れられて「ムーラン・ルージュ」の世界を旅してみたいなぁ。
一緒に雲の上でクルクル踊ってみたいわ〜。(^O^)

こんなとんでもない状況にも関わらず、制作会社のお偉方が、これから何人も増えるんじゃないか?とか、強盗したらどうする?とか、そんな心配ばかりして大騒ぎしているのが面白いです。
「スクリーンから出た前例はありません!」って大真面目な顔で言ってるのも笑えます。

しかし、こんなに夢のある話をどこまで自由に発展させるかが、この作品の鍵とも言えるでしょう。
トムがスクリーンから抜け出した後、上映中の映画の流れは止まってしまいます。
そして、他の出演者たちは劇場にいる人達と会話出来るのです。
「どこまで自由なんだ〜!君達は〜!」とツッコミたい所ですが、夢の有る話なので大目に見ましょう。(笑)

どんどん自由さは増していき、シンシアは映画の中の役"トム"とそれを演じた本人"ギル"から言い寄られるのです。
そして本人と役の人が喧嘩をするという、何ともややこしい状況に発展!
もうどうにでもして状態ですね。(^_^;)

ここまで自由な状況をどうやって終わらせるのか、最後はドキドキものでした。
まぁ、夢は夢のままの方が良いという事でしょうね。
かなり切なかったですが、シンシアのあの表情を見たら「これで良かったんだ」と思えました。

シンシアと一緒に観る者もひとときの夢の世界に連れて行ってくれる素敵な作品でした!
女性なら誰でも共感できるのではないでしょうか。 おすすめですよ。
鑑賞日 2003.06.10

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spink.gif カウガール・ブルース(1993)  アメリカ
 EVEN COWGIRLS GET THE BLUES  [96分]
管理人評価   
ジャンル ドラマ
監督 ガス・ヴァン・サント
出演者 ユマ・サーマン       (シシー・ハンクショー)
ジョン・ハート       (カウンテス)
レイン・フェニックス    (ボナンザ・ジェリービーン)
ノリユキ・パット・モリタ  (チンク)
ロレイン・ブラッコ     (デロレス・デル・ルビー)
コピー 自由がほしけりゃ、この指とまれ。
あらすじ
1950年代。
生まれつき親指が異様に大きい女の子シシーは、その特徴を生かしヒッチハイクでアメリカ横断の旅をしている。
ある日、NYで生理用品を扱うヨニヤム社のオーナー:カウンテスから手紙をもらい、彼の元へ向かう。
シシーは5年間この会社のモデルをしていたのだ。
それで彼は無職の彼女に、エステの施設もある牧場での仕事を紹介してくれた。
その牧場にいたカウガール達と出会い、彼女達の生き方を見たシシーは、リーダーのジェリービーンと恋に落ちる。
感想
すごい豪華なキャストが揃っているのに、脚本がまずくて見るに耐えない作品になっていました。
上手く描けばカウガール達ももっと輝くはずなのに・・・。
これじゃただの汚い"おとこ女"の集まりじゃないですか!

監督がこういう風に見せたかったというなら、あまりにも下品で気分が悪いです。
主人公シシー役のユマ・サーマンは、相変わらず綺麗で可愛かったです。
貴重な全身タイツでシロヅルの格好をし求愛ダンスを踊るユマが見れます。
かなりセクシーなのに、真面目にやっているから笑えるんです。

あと本当にすごく大きい親指にはビックリしました。人差し指より長かったですからね。
この指を立ててヒッチハイクすると、百発百中で車が止まるのは面白かったです。
バスやセスナ、極め付けは流れ星まで流れを変えるくらいの威力がありますからね。(笑)

シシーの恋人になるジェリービーン役はレイン・フェニックス。リヴァー・フェニックスの妹です。
彼女カッコ良いんですけど、なんか小汚い印象なんですよ。

あと、彼女とユマの絡みのシーンは、ちょっとサブイボが立ちました。
始めに「リヴァーに捧ぐ」と描いてありましたけど、彼女が関係あるのかもしれませんね。

喘息持ちのアーティスト:ジュリアン役でキアヌ・リーヴスが少しだけ出演しています。
あとカウガールの中にヘザー・グラハムがいました。
でも彼女は台詞が無かったと思います。

最後まですべて見てきたようなナレーションをする人が誰なのか分かりませんでしたが、これは原作者のトム・ロビンスだそうです。
だからああいう語り口だったんですね。

なんかいろんな物の使い方がもったいない映画でした。
役者も活きてないし、小道具も活きてない、設定も活きてない。
これって最悪か!!

それでもユマ・サーマンファンには、必見の作品だと思います。(^_^;)
鑑賞日 2003.05.10

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spink.gif 帰ってきたヒトラー(2015)   ドイツ
  ER IST WIEDER DA  [116分]
管理人評価   ★★
ジャンル コメディ
監督 ダーヴィト・ヴネント
出演者 オリヴァー・マスッチ      (アドルフ・ヒトラー)
ファビアン・ブッシュ      (ファビアン・ザヴァツキ)
クリストフ・マリア・ヘルプスト (クリストフ・ゼンゼンブリンク)
カッチャ・リーマン       (カッチャ・ベリーニ)
フランツィスカ・ヴルフ     (フランツィスカ・クレマイヤー)
ラース・ルドルフ        (キオスクの主人)
コピー 21世紀の諸君、お待たせしました。
あらすじ
1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが、なぜか2014年のベルリンにタイムスリップして甦る。
やがて彼をモノマネ芸人と勘違いしたディレクターにスカウトされ、テレビ番組に出演することに。
すると、ヒトラーが生きていたらいかにも言いそうな言葉で現代のドイツを斬りまくると、その“芸”の完成度が評判を呼び、彼はたちまち大ブレイク。
しかも言っている内容も意外に真理を突いていると迷える現代人の心を捉え、いつしか再び大衆の支持を集め始めてしまう。
感想
これって笑って良いんですよね。
ドイツにとってヒトラーがどんな位置にいるのか分からないですけど、私から見たら触っちゃいけないゾーンなんじゃないかなと思ってしまって、笑う事が出来ませんでした。

日本でいうと、東条英機が現在にタイムスリップした感じかな?
若者からしたら誰??ってなって、TVに出てもヒトラーみたいにヒットはしないと思うな。

感想が難しいなぁ。
見た目がそっくりで、喋り方も考え方も本物と同じなのが受けたんですよね。
戦争当時も、こういう風にして国民が先導されていったという疑似体験をしているようでした。
「ピアニストにとってのピアノが、私にとっては国民だ」
こう上手い事言って、仲間を増やしていたんでしょう。

しかも、いつも自信たっぷりで魅力的な人物のようで、集客力もバッチリ。
演説が上手かったという事実を、忠実に再現していて見ごたえありました。

日本人には理解しがたい超ブラック・コメディです。
ドイツ人には受け入れられたって事なんですかね。
全然笑えなくて、ただただ怖かったです。
見ちゃいけないものを見てる感覚というか。
ドイツ人がヒトラーをコメディとして扱うのが怖く感じてしまったんです。

ドイツ人からしたら大したことじゃないのかもしれないけど、分からない分ヤバいイメージが先行してしまうんですよね。
良く知っていけば違うのかもしれない。
でも、この終わり方から、真実を知ったものは、消されそうでやっぱり怖い。
という事で、あまり評価は上がりませんでした。
鑑賞日 2018.10.14

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spink.gif 顔(2000)   日本     [123分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/犯罪
監督 阪本順治
出演者 藤山直美   (吉村正子)
豊川悦司   (中上洋行)
國村隼    (狩山健太)
大楠道代   (中上律子)
牧瀬里穂   (吉村由香里)
佐藤浩市   (池田彰)
内田春菊   (喫茶店の女)
早乙女愛   (狩山咲子)
九十九一   (車掌)
渡辺美佐子  (吉村常子)
岸部一徳   (花田英一)
中村勘九郎  (山本俊郎)
コピー 別に許してもらわんでもええよ。
あらすじ
クリーニング店を営む母親を手伝う冴えない40過ぎの吉村正子。
長年家に引きこもっていて、恋人はおろか友人さえもいなかった。
そんなある日、母親が急死してしまう。
通夜の晩、ホステスをしている妹が正子に向かっていつものようにきつい言葉をぶつける。
カッとなった正子は妹を殺してしまった。
我に返った正子はその場から逃げ出す。
そして、初めて外の世界へ出た正子の逃亡生活が始まった。
感想
「顔」というタイトルで、整形して逃亡していた福田和子の事件をベースにしていると聞いていたので、てっきりそういう内容だと思っていたのですが、整形はしませんでした。
自転車でこけて顔にケガをしたり、ホステスになってケバいメイクをしたり、そういう変化で顔が変っていました。

引きこもっていた時は、ぶすっとして表情がなかった正子ですが、逃亡する中で、色々な人と出会い、表情が豊かになっていくのが分かります。
素性を隠していても生きていく術ってあるもんなんですね。
たまたま行った所で、たまたま出会った人と一緒に暮らすなんて本当にあるんだなぁ。

しかも、皆良い人たちなんですよね。
良い人だから、行き場のない正子を助けてくれるんです。
正子もそれに感謝して、ちゃんと働いて恩を返します。

主役の正子を演じたのは、演技派の藤山直美さん。
本当に迫力のある人です。
ドスドス走る姿は、切なくも愛らしく見えました。

乗れなかった自転車にもスイスイ乗れるようになるし、泳げなかったのに海を渡ろうとするし。
人間、必要に迫られたら出来ない事はない!って言われてるようでした。

今だったらネットが発達してるから、すぐに見つかってしまうんでしょうね。
携帯もない時代なので、皆公衆電話で話をしていました。
阪神大震災もあったし、この時代を詰め込んだ作品です。

日本アカデミー賞監督賞受賞作品。
鑑賞日 2018.09.24

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spink.gif 顔のない天使(1993)  アメリカ
 THE MAN WITHOUT A FACE  [115分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ
監督 メル・ギブソン
出演者 メル・ギブソン       (ジャスティン・マクラウド)
ニック・スタール      (チャールズ)チャック
マーガレット・ホイットン  (キャサリン)
ギャビー・ホフマン     (ミーガン・ノースタッド)
フェイ・マスターソン    (グロリア・ノースタッド)
ジェフリー・ルイス     (ウェイン・スターク)
リチャード・メイサー    (カール・ハートリー教授)
マイケル・デルイーズ    (ダグラス・ホール)
イーサン・フィリップス   (トッド・ランシング)
ジャン・デ・ベア      (ランシング夫人)
ヴィヴァ          (クーパー夫人)
コピー 涙することの 歓びを
信ずることの 気高さを
その人は、 教えてくれた…
あらすじ
士官学校に進学したいチャールズは、夏休みも頑張って勉強したにも関わらず、ラテン語と数学が出来なくて悩んでいた。
そんな時、チャールズは顔の右半分がやけどでただれていて、町の人から"怪人"と呼ばれているマクラウドという男に出会う。
彼が元教師だと知ったチャールズは、家庭教師をして欲しいと頼む為に彼の家を訪れた。
感想
メル・ギブソンが監督という事であまり期待してなかったのですが、いい意味で期待を裏切られました。
彼のイメージだと「マッド・マックス」とか「リーサル・ウェポン」のようなアクション路線だと思いましたが、この映画は怪人と少年の心の交流を描いた感動作でした。

二人がシェークスピアの戯曲「ヴェニスの商人」を演じながら、交流を深めていく様子はとても微笑ましかったです。
最初チャールズはしぶしぶという感じでやる気無さげにやっていたのに、だんだんのってきた彼は「もう終わりだ」というマクラウドにその続きをせがむ程夢中になるのです。
少年の純粋な心に触れて、マクラウドも少しずつ変わっていき、本当の友情を育んでいく様子は感動的でした。

それだけに二人の関係が怪しまれるようになってからは、見ていて辛かったです。
何もしていないのに、顔の見た目や過去の事件に関連付け、憶測で事実を捻じ曲げられる。
現実なんてそんなものかもしれません。
人間は普通と違うものに厳しいですからね。
いろいろと考えさせられました。

チャールズ役のニック・スタールは生意気な役でしたけど、目がクリクリしていてとっても可愛かったです。
ときどき意識が飛んでしまう演技も上手くて感心しました。

理不尽に差別され、一人で生きなければならない悲しい宿命の男マクラウドを演じる監督主演のメル・ギブソンも素晴らしかったです。
複雑な心情を見事に演じていて、アクション映画だけではなく、感動作の監督主演も出来るという事を証明したと思います。

ラストの卒業式のシーンは感動で鳥肌が立ちました。
切ないけど素敵なお話です。
お気に入りに追加しようかな。

この時のチャールズ役の青年がニック・スタールをそのまま大きくしたかのように顔が似ていたので驚きました。
鑑賞日 2003.01.16

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spink.gif 課外授業(1975)   イタリア
  LEZIONI PRIVATE  [77分]
管理人評価   ★★★
ジャンル 青春/エロス
監督 ヴィットリオ・デ・システィ
出演者 キャロル・ベイカー     (ローラ・フォメンティ)
ロッサリーノ・チェラマーレ (アレキサンドロ・コシーニ)
レオノーラ・ファニ     (パオラ・フィンジィ)
レオポルド・トリエステ   (ガブリエル・フィンジィ)
コピー 僕の初めての異性は--
匂いたつ肌も美しい年上の女教師
大人の世界への憧れと好奇心に
胸もときめく16才の春・夏を
軽妙なタッチで描く--
あらすじ
18歳のアレキサンドロは、新任のピアノ教師ローラに一目惚れ。
それを知ったいたずら好きな親友ガブリエルは、ローラの自慰行為を盗撮し、屈辱的な行為を強要する。
感想
これはエロいですね。
エロの教科書みたいな作品です。
古い作品ですが、エロさは瑞々しいままでした。

大好きな年上姉さんと年下くんとの恋だったので、鼻息荒めの鑑賞となりました。
しかも、脅されていて逆らえないという関係で、興奮せざるを得ません。

純粋なアレキサンドロと陰湿なガブリエル。
ガブリエルはアレキサンドロの事が好きだったのか。
これはフロメンティに言われるまで気付きませんでした。

逆らえないもどかしさはかなり魅力的でしたね。
これは私がSだからなのか・・・。
わざとドレスにコーヒーをこぼしてアレキサンドロに拭かせるとか。
腋毛を剃らせるとか。
官能小説に出てきそうなシチュエーションです。

レコードを聴きながら陶酔するフロメンティ先生はヤバかった!
生徒の前でそれは危険極まりない!
あと、バスの中でのお触りね。
ちょっと入り込んでしまうタイプみたいです。

ブラをつけて大人な会話をする女の子たち。
野原を走って遊ぶ男の子たち。
やっぱり女の子の方が成長が早いようです。
ここら辺の対比も面白かったですね。
鑑賞日 2008.06.10

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spink.gif かがみの孤城(2022)   日本
  LONELY CASTLE IN THE MIRROR  [116分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル アニメ/ファンタジー/ミステリー/青春
監督 原恵一
出演者 當真あみ   (安西こころ)
北村匠海   (リオン)
吉柳咲良   (アキ)
板垣李光人  (スバル)
横溝菜帆   (フウカ)
高山みなみ  (マサムネ)
梶裕貴    (ウレシノ)
池端杏慈   (東条萌)
吉村文香   (真田美織)
藤森慎吾   (伊田先生)
滝沢カレン  (養護の先生)
麻生久美子  (こころの母)
芦田愛菜   (オオカミさま)
宮崎あおい  (喜多嶋先生)
コピー 君を、ひとりにはしない。
あらすじ
不登校の中学1年生:安西こころ。
ある日、部屋の鏡の中に吸い込まれたこころ。
すると、周りを海に囲まれた城のある、不思議な世界に迷い込んでしまう。
そこには狼のお面をかぶった正体不明の女の子“オオカミさま”がいた。
そして、城にはこころと同じようにオオカミさまによって集められた6人の少年少女がいた。
感想
とても良いお話で、みんなの事を他人事と思えず、すっかり入り込んで見ていました。
学校にいけない事情は、十人十色。
みんなが出来る事が出来ない自分を責めてしまう年頃です。
そんな子たちの前に現れた”かがみの孤城”。
そこがどんどんみんなの心の拠り所になっていて、この後どんな展開になるのか、先が気になるお話でした。

みんなの関係性は、途中で気付きましたが、その設定に感動しましたね。
いじめや不登校は、今に始まった事じゃない。
その理由だって様々で、子供たちだけではどうしようもないのです。

「俺たちは協力出来るかもしれない」
その言葉が印象的でしたね。
ひとりひとりだと弱い存在でも、同じ境遇を経験し、傷付いた心に共感出来る人なら、助け合って支え合える。
どんな世界でも孤独に耐えるのは辛いものです。
自分は一人じゃない。
そう思える仲間がいる事は、生きる上でとてつもない力になると思います。

ファンタジーな設定は、子供にも取っ付き易いと思いますし、普通に言葉で伝えるより、もしかしたら説得力もあるのかも。
そう思いました。

この作品を見て、原作小説が気になりました。
もっと登場人物たちの詳細も書かれているだろうし、何より少しでも長くこの世界に浸っていたいと思えたからです。
機会があったら、是非挑戦したいと思います。

辻村深月小説原作作品。
ここからはネタばれです。ボタンをクリックで開閉します
鑑賞日 2024.02.15

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spink.gif 輝きの海(1997)   イギリス/アメリカ
  SWEPT FROM THE SEA  [113分]
管理人評価   ★★★
ジャ ンル ロマンス/ドラマ
監督 ビーバン・キドロン
出演者 レイチェル・ワイズ   (エミリー・フォスター)
ヴァンサン・ペレーズ  (ヤンコ)
イアン・マッケラン   (ジェームズ・ケネディ)
キャシー・ベイツ    (ミス・スウォファー)
ジョス・アックランド  (ミスター・スウォファー)
トム・ベル       (アイザック・フォスター)
ゾー・ワナメイカー   (メアリー・フォスター)
コピー あなたが来るまでは
海が恋人だった。
あらすじ
20世紀初頭。
イギリス、コーンウォール地方。足を怪我して寝込んでいる令嬢ミス・スウォファーは、主治医のケネディがメイドのエイミーを毛嫌いする訳を尋ねた。
すると、彼は人から聞いたという話を語り出す。
山男のヤンコは、夢を持ってアメリカへ移住しようと船に乗る。
しかし、途中嵐に遭い、船が難破。
ほぼ全員が死亡した中、ヤンコは奇跡的に助かり、コーンウォール地方の海岸に流れ着いた。
彼はボロボロになりながら、近くの民家に助けを求める。
そこでメイドとして働いていたのがエイミーだった。
その後、2人は恋に落ち、結婚にまで至るのだが、村人達は良い顔をしなかった。
感想
最後は良くわからなかったけど、ロマンスの部分は好きでした。
相手が異国から流れ着いた男性で、村人たちから忌み嫌われようと、本当の愛に回り逢えたエイミー。
何回も言っていましたが、二人は幸せだったんですよね。
ヤンコも辛い人生だったけど、彼女と出会えて幸せだったんだなと思えました。

ヤンコが緑色のリボンをエイミーにプレゼントして、付き合って欲しいと告白するシーンが好きだったな。
慣れない英語で出来るだけ丁寧に言おうと頑張るヤンコ。
告白を受け入れてドアを閉めてから喜びを表に出すエイミー。
この時の彼女がとっても綺麗でうっとりしてしまいました。

孤独な者同志、色んな事が共感できるから、お互いを優しくいたわり、それが恋に発展して行くのは自然な流れですね。
村人から非難されればされるほど、二人の結束は深まるのです。
ヤンコが言っていた「僕の家は君、君の家は僕」というのは、真実の愛あればこその言葉でしょう。

それだけに病気と格闘する最後は切な過ぎます!
ヤンコも一言「水をくれ!」と英語で言えば良いのに〜!
もどかしい気持ちでいっぱいになりました。
まあ、私以上にヤンコがもどかしく思っているのは間違いないと思いますが…。
あまりの苦しさで何も考えられない状況ですからね。
自分では英語で言っているつもりだったかもしれません。
誰も悪くないのに、皆が悪いように見えてしまう最悪の結果になってしまいました。(涙)

最初にも書きましたが、最後が良く分からないですね。
まあ、自分なりにはこうかな〜って思う所はあるのですが、はっきりとした確信が持てなかったので自信ないです。

全体を通して印象に残っているのが、海を見下ろす風景です。
すごく綺麗で見入ってしまいます。
エイミーにとって、ここは何かがやって来る希望の場所だったのですね。
私もそんな場所、見つけて見たいわ。
ここからはネタばれです。ボタンをクリックで開閉します
鑑賞日 2004.11.06

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spink.gif 鍵泥棒のメソッド(2012)   日本     [128分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル コメディ
監督 内田けんじ
出演者 堺雅人     (桜井武史)
香川照之    (コンドウ/山崎信一郎)
広末涼子    (水嶋香苗)
荒川良々    (工藤純一)
森口瑤子    (井上綾子)
小山田サユリ  (水嶋翔子)
木野花     (水嶋京子)
小野武彦    (水嶋徳治)
コピー 二人の人生が入れ替わり、(悲×)喜劇が幕を開ける!
あらすじ
自殺願望のある売れない役者:桜井武史。
ある日、銭湯で羽振りのいい男が転んだはずみに頭を強打して記憶を失う現場に居合わせる。
とっさにロッカーの鍵をすり替え、彼になりすます桜井。
ところが、その男が誰も顔を見たことがない伝説の殺し屋コンドウだったことから窮地に陥ってしまう。
感想
これは面白い!
お話もキャラクターも最高です。

出来る人はどんな状況からでも出来るし、ダメな人はどんなに環境が整っててもダメなんですね。
二人の対照的な行動に笑わせてもらいました。

記憶喪失なのに前向きで人生が上向いてくる男。
大金を手に入れてもドジをして命を危険にさらしてしまう男。

特に、記憶喪失のコンドウが、几帳面にメモを取りながら、自分を取り戻していく過程が好きでした。
その前向きさに惹かれる、これまた真面目で几帳面な香苗。
この二人のやり取りも面白いんですよね。
これからどんな家庭を築くのか、楽しみです。

内田けんじ監督の脚本という事で、監督の他の作品も見たくなりました。
ちょっとチェックしてみたいと思います。
鑑賞日 2018.02.04

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spink.gif 岳 -ガク-(2010)   日本     [126分]
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ/アドベンチャー
監督 片山修
出演者 小栗旬       (島崎三歩)
長澤まさみ     (椎名久美)
佐々木蔵之介    (野田正人)
石田卓也      (阿久津敏夫)
矢柴俊博      (座間洋平)
やべきょうすけ   (安藤俊一)
鈴之助       (守屋鉄志)
浜田学       (関勇)
宇梶剛士      (横井修治)
森廉        (青木誠)
小林海人      (横井ナオタ)
光石研       (梶一郎)
中越典子      (梶陽子)
尾上寛之      (遭難する青年)
波岡一喜      (三歩の親友)
ベンガル      (遭難者の父)
石黒賢       (椎名恭三)
市毛良枝      (谷村文子)
渡部篤郎      (牧英紀)
コピー 生きる。

標高3,190m 気温−25℃
命は、命でしか救えない。
あらすじ
雄大な北アルプス山系。
山を愛する島崎三歩は、ここで山岳救助ボランティアとして登山者たちの命を守っていた。
そんな三歩の暮らす山に、北部警察署山岳救助隊に配属されたばかりの椎名久美がやって来る。
同じ山岳救助隊の隊長・野田や三歩の指導の下、着実に成長していく久美。
しかし、実際の救助では遭難者を救うことが出来ない日々が続き、自らの未熟さに次第に自信を無くしてしまう。
感想
良いお話だとは思います。
でも、危ない山に行く人の気持ちが理解出来ないので、彼らの命を救う山岳救助隊の仕事が、虚しいものにしか見えません。

事故や遭難に遭った時も、可能な限りは救助するけど、天候が悪い時は見捨てるしかありません。
二次遭難や命をかけてまで助ける事は無理なのです。
山のプロでもそんな状況の場所に、一般の素人が行って危険な目に遭うのは自業自得としか思えません。
前提がそうなものですから、繰り広げられる感動のドラマも、あまり心には響きませんでした。

主人公の無駄に明るい所も、カラ元気のようでしっくり来ませんでした。
辛い事ばかりで、山の何が良いのか分かりません。
こればかりは好みの問題でしょうね。

あと、山での常識には驚かされました。
ヘリで収容が無理なご遺体は、崖の下に落とすのですね。
例えバラバラになったとしても、遺族の元へ返す事を優先するようです。
これを見て、ますます山へ近づくのは止めようという気持ちが大きくなりました。

毎年山の事故や遭難が報道されますが、その度に山岳救助隊の方々が活躍されているのですね。
生きて助けられる方も多数いるのでしょうけど、遺体を収容する事も多いのでしょうね。
とても厳しいお仕事で感謝してもしきれません。

三歩は山岳救助ボランティアという立場でしたが、どのように収入を得ているのでしょうか。
冬の忙しい時期は山小屋を手伝っていましたが、その辺りの詳細は説明が無かったので気になりました。

漫画原作作品。
鑑賞日 2023.07.13

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spink.gif 隠し剣 鬼の爪(2004)   日本     [131分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ/ロマンス/時代劇
監督 山田洋次
出演者 永瀬正敏  (片桐宗蔵)
松たか子  (きえ)
吉岡秀隆  (島田左門)
小澤征悦  (狭間弥市郎)
田畑智子  (島田志乃)
高島礼子  (狭間桂)
光本幸子  (伊勢屋のおかみ)
田中邦衛  (片桐勘兵衛)
倍賞千恵子 (片桐吟)
田中泯   (戸田寛斎)
小林稔侍  (大目付:甲田)
緒形拳   (家老:堀将監)
コピー 幕末、愛に生きる侍がいた。
人のさだめは変えられますか。
あらすじ
幕末の海坂藩。下級武士の片桐宗蔵は、未だ独り身で年老いた女中とひっそりと暮らしている。
ある日、家の奉公人だったきえと再会。彼女は3年前に伊勢屋という問屋に嫁いでいた。
宗蔵は幸せに暮らしているものだと思っていたが、明るく元気だった彼女は、ひどくやせ細り疲れきっていた。
その場はそのまま別れたが、後日ふた月も病にふせっていると聞き、急いで見舞いに向かう。
姑にひどい扱いを受け寝込んでいたきえを連れ帰り、自宅で看病する事にした。
その後、元気になったきえは、また女中として宗蔵の家で働く。
そんな中、親友の狭間弥市郎が謀反の罪で郷入りになったと知らされる。
翌日、宗蔵は上役に呼び出され、狭間との関係を問い詰められた。
感想
たそがれ清兵衛」があんまりだったので、全然期待してなかったのですが、見てみたらびっくりするほど癒されました。
何ですか?この温かさは!お見事です。
とにかく全てが好感触で、何をしても微笑ましかったです。
至る所から優しさが溢れていて、一言で言い表すなら『優しい映画』ですね。
他に何か別の褒め方も考えて見たんですけど、『優しい』という単語しか出てきませんでした。

あと、ちょこちょことはさまれる笑い所がことごとくツボでした。
人ごとカゴに入れちゃうとか、首が飛んだとか、西洋風戦術の授業とか。
こんな小さなネタで爆笑しちゃいましたからね。
どれだけ私がこの作品を好きかというのが分かって頂けると思います。

ここまで入り込んで見れたのは、兎にも角にも宗蔵さんが好きだからです。
優しいお侍さんというキャラに、こんなにもはまるなんて。自分でも意外でした。
永瀬さんには特別なイメージがなかったものですから、この宗蔵さんがすんなりと受け入れられたんだと思います。

あと、きえ役の松たか子さんですね。
彼女の作品もそんなに多く見てる訳ではないですけど、今まで見た中では一番良かったと思います。
正直、彼女をこんなに色っぽいと思った事はないですね。
疲れ果ててやせ細った姿が何とも言えず良かったです。
髪も乱れた感じで、一層悲壮感漂いますね。
そして、元気になると可愛らしくて守ってあげたいと思うような愛くるしさ。
1本で全く違う種類の魅力が堪能出来ました。

そして、出番はそんなに多くなかったけどインパクトを残した高島礼子さんが良かったと思います。
鬼気迫る演技とあの場面での笑顔。
めちゃめちゃ切なくて、胸がきゅ〜〜っと締め付けれられました。

流れ的には「たそがれ清兵衛」とほとんど変わらないのに、何故こんなに印象が違うのでしょうか?
自分でも不思議です。
最後が特に好きだったな〜。
こういう素朴な感じ、たまりません。
自由のきかない時代に、思い通り生きれた宗蔵さん。カッコ良いです!

藤沢周平小説原作作品。
鑑賞日 2007.02.27

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spink.gif 隠し砦の三悪人(1958)   日本     [139分]   白黒
管理人評価   ★★★★
ジャンル 時代劇/アクション/サスペンス
監督 黒澤明
出演者 三船敏郎  (真壁六郎太)
千秋実   (太平)
藤原釜足  (又七)
藤田進   (田所兵衛)
志村喬   (老将長倉和泉)
上原美佐  (雪姫)
樋口年子  (百姓娘)
コピー
あらすじ
時は戦国時代。
百姓の太平と又七は、焼け落ちた秋月城で埋蔵金探しの強制労働を強いられていた。
仲間である百姓たちの反乱のおかげで自由の身になった二人は、ひょんなことから金の延べ棒を手に入れる。
それは、小国:秋月の隠し金だった。
そこへ同じく金の延べ棒を持った厳つい男がやって来た。
男は秋月家の侍大将・真壁六郎太。
秋月家の生き残りである雪姫、重臣らとともに、山中の隠し砦に身を潜めていたのだ。
六郎太たちは隠し砦で身を潜めながら、国越えの機会を伺う。
感想
やっぱり黒澤監督の作品は、見せる力が素晴らしいですね!
見始めたら途中でやめたり出来ません。
この作品は、「スターウォーズ」に影響を与えた作品と聞いてから見たいと思ってたんです。

三船敏郎の六郎太、渋くてカッコ良い!
一人で雪姫を守る姿が素敵すぎます。
一番の見所は、味方に知らせに行こうとする敵二人を、後ろから物凄い勢いで追っていくシーン。
こんな人に追われたら生きた心地がしないですよ。
あまりの姿勢の良さに恐怖を覚えました。
これ、馬の上で出来る姿勢の限界を超えてるんじゃないでしょうか。
正に名シーン。鳥肌ものです。

そんな六郎太が命をかけて守る雪姫。
彼女も気の強さと気品を兼ね備えた魅力的な女性です。
太平と又七がよだれを垂らした姫の寝姿は、女の私もドキッとしました。
しかし、声が合っていなかったのが残念です。
無理して出しているからでしょうね。

その姫に助けられた百姓の娘も地味ながら、すごく印象に残りました。
おし姫が秋月の姫だと分かると、男性陣から守ったり、大勢の敵の前に飛び出したり、影武者のような働きぶりでかなり泣かされました。
こういう脇役の使い方が本当に上手いです。

そして、この作品の肝である太平と又七。
金が絡むと、すぐにいがみ合う二人。
この二人の賤しさと、姫たちの潔さの対比が、この作品に深みをもたらしているんでしょうね。

最後の白洲でのやり取りがまた良いんですよ。
六郎太の鎧姿、姫のお着物。
とても決まっていてカッコ良かった〜!
大好きなシーンになりました。

黒澤監督の作品、もっと見たくなりました!
完全制覇目指して頑張ります。
鑑賞日 2008.09.20

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spink.gif 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008)   日本     [118分]
管理人評価   ★★
ジャンル 時代劇/サスペンス/アクション
監督 樋口真嗣
出演者 松本潤   (武蔵)
長澤まさみ (雪姫)
椎名桔平  (鷹山刑部)
宮川大輔  (新八)
甲本雅裕  (佐川出兵衛)
古田新太  (人買い)
生瀬勝久  (バクチ打ち)
ピエール瀧 (軍資金堀の侍)
徳井優   (荷車を持つ爺さん)
黒瀬真奈美 (みつ)
KREVA    (刑部付きの侍)
上川隆也  (宿場襲撃隊・隊長)
國村隼   (長倉和泉)
高嶋政宏  (本庄久之進)
阿部寛   (真壁六郎太)
皆川猿時
橋本じゅん
コピー 隠された黄金と狙われた姫を追って、
壮大なアドベンチャーが幕を開ける──。
あらすじ
時は戦国時代、とある地方に秋月、早川、山名という互いに隣接した3つの小国があった。
ところがある日、秋月が突然山名に攻め入られ陥落。
しかし、莫大な秋月の軍資金は城から消えていた。
一方、その軍資金探しを強制させられていた金堀り師の武蔵と木こりの新八は隙をみて逃走、すると偶然にも秋月の隠し金を発見する。
だがそれも束の間、2人の前に現われた六郎太という男とその弟に囚われ金も奪われてしまう。
実は六郎太は秋月の武将で、弟の正体は秋月家の唯一の生き残りである雪姫だった。
感想
オリジナルの「隠し砦の三悪人」は高評価だったので、こちらもそこそこの出来ではないかと思って鑑賞しました。
しかし、期待外れの作品でした。

オリジナルと違って武蔵が雪姫と恋仲になるのが改悪でしたね。
いくら汚いなりをしてようと、松本潤くんが武蔵だとこういう展開になってしまいます。
彼が活躍するようにしてしまったら、真壁六郎太の魅力が半減してしまいます。

それでも頑張っていた阿部寛さん。
オリジナルでもあった味方に報告しに行く敵を馬上でやっつけるシーンはなかなかの出来でした。
大きな体でキレのある殺陣。
頼りがいのある真壁六郎太にぴったりはまっていました。

とにかくツッコミ所が多い作品ですね。
険しい山々を舞台にしているのですが、その砦を爆破して崩壊する規模が大き過ぎる!
狭くて人が多い所であんな爆破が起きたら、生きて帰れるはずない!

しかし、最後は山名の連中だけ死んで、他は生き残ったとは驚きました。
ご都合主義もここまで来ると笑えます。

オリジナルがどんなに良くても、改悪が過ぎると駄作になってしまうというお手本の作品かもしれません。
これを見てガックリ来た人は、是非オリジナルを見て頂きたい!
私もオリジナルが見たくて仕方がありません。

リメイク作品。

《関連作品》
隠し砦の三悪人
鑑賞日 2022.01.06

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spink.gif カクテル(1988)   アメリカ
  COCKTAIL  [102分]
管理人評価   ★★
ジャンル 青春
監督 ロジャー・ドナルドソン
出演者 トム・クルーズ      (ブライアン・フラナガン)
ブライアン・ブラウン   (ダグラス・コグラン)
エリザベス・シュー    (ジョーダン・ムーニー)
リサ・ベインズ      (ボニー)
ローレンス・ラッキンビル (リチャード・ムーニー)
ケリー・リンチ      (ケリー)
ジーナ・ガーション    (コーラル)
ロン・ディーン      (パットおじさん)
ロバート・ドンレイ    (エディ)
エレン・フォーリー    (エレノア)
コピー この男のいるところ、いつも喝采……
あらすじ
軍隊を除隊したブライアンは、エリートビジネスマンになろうとニューヨークに降り立った。
しかし学歴のない彼を雇う企業はどこにも無く、通りすがりにバーの求人をみつけアルバイトをしながら大学に通う事にする。
しかし、先輩バーテンのコグランから“金持ちになるには金持ちの女を捕まえろ!”と言われ、彼とパートナーを組む事にした。
感想
バーテンダーとしてパフォーマンスするトム・クルーズはカッコ良いですが、物語がいまいちで評価が伸びませんでした。

除隊したブライアンは、一攫千金を狙ってニューヨークに来ました。
でも、学歴のない彼を雇う会社はありません。
そこでバーでアルバイトしながら、経済を学ぶ為に大学に通うのです。

そこでバーテンダーのダグと出会います。
彼と出会った事が全ての原因ですよね。
あのままきちんと大学に行っていたら、別の道もあったのにと思ってしまいます。

その後も事あるごとにダグが火種を持ってくるんです。
ブライアンの彼女にちょっかい出したり、女社長を落とせるか賭けを持ちかけたり。
ダグは若くてイケメンなブライアンに嫉妬していたかもしれません。
そうとしか思えない行動です。

素直になって正面から向き合い、お互いに協力し合えば、良い相棒になったはずです。
最後までプライドを捨てきれず、素直になれなかったダグ。
お金に執着し過ぎた彼の人生は、悩んでいたブライアンに自分に素直になる事の大切さを教えてくれました。

しかし、ジョーダンはあれだけブライアンを拒絶していたのに、最後の最後でついて行ったのは何故?
ダグのこと以外、彼に何の変化もないのに・・・。
彼女を迎えに行くにあたって、何かしらの成果を挙げてからの方が説得力があったかなと思います。

あまりトム・クルーズの良さが出てない作品でがっかり。
見た目が良くても、頼りにならない男は、全然魅力的じゃないです。
バーテンダーとして店で働いている時だけカッコ良かったです。
鑑賞日 2022.11.03

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spink.gif かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜(2019)   日本     [113分]
管理人評価   ★★★
ジャンル コメディ/ロマンス
監督 河合勇人
出演者 平野紫耀   (白銀御行)
橋本環奈   (四宮かぐや)
佐野勇斗   (石上優)
池間夏海   (柏木渚)
浅川梨奈   (藤原千花)
ゆうたろう  (翼)
堀田真由   (早坂愛)
高嶋政宏   (白銀の父)
佐藤二朗   (田沼正造)
徳井優    (校長先生)
コピー 絶対に、告らせる。
あらすじ
そこは、エリートばかりが集う名門私立高校、秀知院学園の生徒会室。
頭脳明晰な生徒会会長・白銀御行と文武両道で大財閥令嬢の副会長・四宮かぐやは、実は互いに惹かれ合っていた。
しかし高すぎるプライドが邪魔をして告白できないまま、いつしか自分から告白したら“負け”という歪んだ思い込みに囚われてしまっていた。
それでも自らの想いを成就させたい2人は、なんとかして相手に告白させようと考え、不器用ながらも天才ならではの超高度な恋愛頭脳戦を繰り広げていく。
感想
映画公開の番組宣伝ラッシュで平野紫耀くんが毎日のようにTVに出ているので、嫌でも気になっていたこの作品。
LINE漫画でも無料で原作が読めるし、GYAOではアニメを無料放送。
様々なジャンルでこの作品に触れる機会があり、ついに劇場まで足を運ぶこととなりました。

平日の朝一上映ということで、全部で10人くらいでした。
しかも、全員若い女性。
私が一番年上だろうな・・・とか憂鬱になりながら鑑賞開始。

前半は漫画原作、アニメで予習済だったので、ここを切り取ったのね!という楽しみ方が出来ました。
平野くんは会長のイメージとはちょっと違うのですが、コミカルな演技が上手かったですね。
”チ〇チ〇”連発で爆笑してしまうかぐやが、会長に誤解されてしまうくだりとか、たまりませんでした!

そして、かぐや役にぴったりの美少女橋本環奈ちゃん!
大企業の令嬢で頭脳明晰、世間知らずの箱入り娘。
こんなに実写化で納得できるキャスティングは珍しいでしょう。
いつもの強気の彼女も良いけど、風邪をひいて阿保になってる時が超絶可愛かった!
あの誘惑にあらがうのは至難な業ですよ!!

後半は知らない展開だったので、新鮮な気持ちで鑑賞。
お可愛いふたりのいじらしいすれ違いにモダモダさせられました。
最後は素直になるのかと思いきや!
やっぱりなふたり。
相思相愛にはまだまだ時間がかかりそうですね。

みんな原作のキャラを忠実に再現していて驚きました。
特に書記の藤原さん!
あのハイトーンボイスを貫くのが素晴らしい!
メイキングみたらかなり咳き込んだりしてて、苦労の後が見てとれました。

良く出来てたけど、笑いのキレなどはやっぱり漫画やアニメの方が良かったかな。
映画見て、早く原作読みたいなって思いました。

漫画原作作品。

《関連作品》
かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル(2021)
鑑賞日 2019.09.17

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spink.gif かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 ファイナル(2021)   日本     [116分]
管理人評価   ★★★
ジャンル コメディ/ロマンス/学園
監督 河合勇人
出演者 平野紫耀  (白銀御行)
橋本環奈  (四宮かぐや)
佐野勇斗  (石上優)
浅川梨奈  (藤原千花)
堀田真由  (早坂愛)
影山優佳  (伊井野ミコ)
福原遥   (子安つばめ)
板橋駿谷  (風野)
高橋文哉  (荻野コウ)
池間夏海  (柏木渚)
ゆうたろう (田沼翼)
高嶋政宏  (白銀の父)
佐藤二朗  (田沼正造)
コピー 今度こそ、告らせたかったのに。
あらすじ
エリートが集う名門私立高校、秀知院学園。
白熱の選挙戦を終え、再び会長と副会長として生徒会に舞い戻った白銀御行と四宮かぐや。
二人の“いかにして相手に告白させるか”という恋愛バトルは、決着を見ることなくますます熾烈を極めていた。
そして、いよいよ体育祭と文化祭という学園の2大イベントがやって来る。
感想
大人気の為、第二弾が製作された作品です。
私も1作目は劇場に見に行きました。

今回もそのテンポの良さはそのまま、学校の二大行事『体育祭』と『文化祭』での攻防が描かれていました。
恋の作戦を考えるなら、この二大行事が持って来いです。

お互い好き同士なのは周知の事実なのに、本人たちだけはバレていないと思っていて、とっても厄介です。
相手が合コンに行くと嫉妬するし、恋のジンクスは取り入れたい。
どうしても相手に告白させたい二人は、お互いにまた作戦を練るのでした。

一番活躍していたのは、かぐやの近侍:早坂でしょう。
彼女の活躍無くしては、かぐやの作戦は成功しないのです。
何でも器用にこなす彼女を戦闘不能にしてしまうほどの白銀の歌は、本当に下手でしたね。
自覚してないのが可愛かったです。

優秀な上に性格も良い白銀。
しかし、彼の家は貧乏で、ギャンブル好きの父親がいるんです。
その学校と家でのギャップが面白いですね。
SFITを自転車で走る姿が可愛すぎです。

そして、そんな彼とは真逆の超お嬢様:かぐやは、今回も贅沢にお金を使いまくってましたね。
自家用ジェットの「自家用」という文字が眩しかったです。

「2」もなかなか面白かったです。
お互いの想いは通じても、なかなか素直になれない二人の関係は、ゆっくりとしか進まなそうですね。
不器用な二人らしいその後も見てみたいです。

漫画原作作品。

《関連作品》
かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜(2019)
鑑賞日 2022.03.28

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spink.gif “隠れビッチ”やってました。(2019)   日本     [112分]
管理人評価   
ジャンル ロマンス/ドラマ/コメディ
監督 三木康一郎
出演者 佐久間由衣  (荒井ひろみ)
村上虹郎   (小島晃)
大後寿々花  (大村彩)
小関裕太   (安藤剛)
森山未來   (三沢光昭)
前野朋哉   (川田利光)
片桐仁    (永田裕志)
前川泰之   (小橋健太)
柳俊太郎   (坂口征二)
戸塚純貴   (船木誠勝)
笠松将    (田上明)
田中偉登   (秋山準)
岩井拳士朗  (森島)
渡辺真起子  (ひろみの母)
光石研    (ひろみの父)
コピー 女の顔には
裏がある。
あらすじ
26歳の独身女性・荒井ひろみの趣味&特技は、異性にモテること。
清純女子を装い、相手に合わせた様々な恋愛テクニックを駆使して男たちを落としていく。
しかし、あくまで相手に“好きです”と言わせるのが目的で、深い関係には興味がなかった。
それは、実は自分に自信のないひろみの承認欲求を満たすための行動だったのだ。
シェアハウス仲間のコジと彩は、そんな彼女を“隠れビッチ”と呼んでたしなめるが、まるで聞く耳を持たない。
やがて美容師志望の青年・安藤という新たなターゲットを見つけ、順調に距離を縮めていく。
感想
久しぶりに★1つの映画に当たってしまいました。
終始嫌な気持ちにさせられました。

まず主人公に魅力が無い。
何故モテるのか、全く理解出来ない。
素の部分が下品で気分が悪い。
同居人とも喧嘩ばかりで、何故一緒に住んでいるのか謎。

そんな彼女が良い人:三沢さんに当たり散らす所は、本当に見てられませんでした。
牛乳買い忘れたくらいでこんなブチ切れされたら、男性の精神が持ちませんよ。
というか、見ているこちらの精神も持ちません。

いくら虐待されていたからってそれを正当化は出来ないと思います。
まともに育っている人が大半でしょう。
三沢さんの冷静な判断で距離を置いたのが良かったです。
その間に自分と向き合う事が出来ましたからね。

終盤は三沢さんのおかげで心安らかに見れたので、★2でも良いかと思ったんです。
でも、エンドロールの後を見て★1つに決めました。
どこまでも気分が悪かったです。
鑑賞日 2020.12.20

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spink.gif 駆込み女と駆出し男(2015)   日本     [143分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル 時代劇/ドラマ
監督 原田眞人
出演者 大泉洋    (中村信次郎)
戸田恵梨香  (鉄練りのじょご)
満島ひかり  (お吟)
内山理名   (ゆう)
陽月華    (法秀尼)
神野三鈴   (おゆき)
キムラ緑子  (お勝)
木場勝己   (利平)
北村有起哉    (鳥居耀蔵)
高畑淳子   (女貸本屋)
麿赤兒    (清拙)
中村嘉葎雄  (風の金兵衛)
樹木希林   (三代目柏屋源兵衛)
堤真一    (堀切屋三郎衛門)
山崎努    (曲亭馬琴)
堀部圭亮    (寺役人)
コピー 離婚は、幸せの始まり!?
あらすじ
時は天保十二年(1841年)、質素倹約令が発令され、庶民の暮らしに暗い影が差し始めた江戸時代後期。
鎌倉の尼寺、東慶寺は、夫から逃げてきた妻たちの離縁を可能にする幕府公認の縁切寺。
駆け込み女たちは、まず御用宿に預けられ、そこで身元の調査が行われる。
戯作者に憧れる見習い医師の信次郎は、江戸を追われ、そんな御用宿のひとつ、柏屋に居候することに。
感想
143分と長い作品ですが、そんな時間を感じないくらい面白かったです。

何といっても主人公の中村信次郎が良かったです。
大泉洋さんのいつもの調子が、この信次郎さんというキャラにあっていて、細かい笑いがツボにはまってしまいました。
特に寺の女性を診察する時のやり取りが絶妙です。
女性と目を合わせてはいけないと言われているので、天井を向いたまま診療するんですけど、法秀尼にはぴったり引っ付いたり、はちみつ浣腸を任せたりと、そのやり取りで大笑いさせてもらいました。

彼と話す人々は、自然と漫才みたいな掛け合いになってるんですよね。
それが本当に面白くて、すっかり気に入ってしまいました。

あと、鉄練りのじょごを演じた戸田恵梨香さんも良かったです。
学習能力の高いじょごは、信次郎から教えてもらった知識を生かし、寺でも薬草畑を作るんです。
教えてもらった薙刀もしっかり身についていたし、彼女の成長が一番楽しみでした。

お話は、ひどい夫から逃げてきた女たちの話なので、どれも辛いものばかりです。
なのに、こんなに笑って良いのかってくらいテンポが良いんですよ。
そのバランスが本当に素晴らしかったです。

二人がそれからどうなったのかも見てみたいくらいですよ。
きっと楽しい夫婦になったでしょうね。
医者と作家、どちらも上手くいっていたら良いな。
鑑賞日 2018.02.12

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spink.gif 崖の上のポニョ(2008)   日本     [101分]
管理人評価   ★★
ジャンル アニメ/ファミリー/ファンタジー
監督 宮崎駿
出演者 <声の出演>
山口智子  (リサ)
長嶋一茂  (耕一)
天海祐希  (グランマンマーレ)
所ジョージ (フジモト)
土井洋輝  (宗介)
奈良柚莉愛 (ポニョ)
柊瑠美   (婦人)
矢野顕子  (ポニョのいもうと達)
吉行和子  (トキさん)
奈良岡朋子 (よしえさん)
左時枝   (カヨさん)
平岡映美  (クミコ)
大橋のぞみ (カレン)
コピー 生まれてきてよかった。
あらすじ
海辺の小さな町で崖の上の一軒家に暮らす宗介。
ある日、頭がジャムの瓶にはまり困っていたさかなの子・ポニョを助け出す。
ポニョはクラゲに乗って家出してきたところだった。
それ以来、彼らは互いを好きになる。
しかしポニョは、人間をやめて今は海の住人となっている父フジモトによって海の中へ連れ戻されてしまう。
感想
う〜ん。これはあんまりでした。
まず親の事を名前で呼ぶのが頂けないです。
他の家庭の事をとやかくいう権利はないけど、もし子供のお友達でそういう子がいたら、ちょっと距離を置いちゃうと思います。

この作品には、世の中の虐待されている子供たちへ「全力で逃げろ!」というメッセージが込められているのかな?
それか、親のレールに乗っている子たちに、「自分のやりたいようにやれ!」というメッセージかも。

しかし、自分が親になった今、ポニョが人間になって宗介の家でお世話になるというのがモヤモヤします。
生活にかかるお金や妹が出来た時どうするんだろう?と真面目に考えてしまいました。

グランマンマーレもいい加減すぎます。
世界の節穴って彼女の意志で開けたり、閉じたり出来るんですか?
なんだ、それ。
結局、一番真面だったのは、フジモトだったんじゃないかとさえ思いました。

でも、津波が水魚というのは面白い発想ですね。
すごく迫力があって良かったです。

「ポ〜ニョポ〜ニョポニョ魚の子〜♪」って歌、当時はとても流行りましたよね。
それだけに内容にも期待していたのですが、それには応えてもらえませんでした。

スタジオジブリ長編アニメ第15作目。
鑑賞日 2010.02.09

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spink.gif 影武者(1980)   日本     [179分]
管理人評価   ★★★
ジャンル 時代劇/ドラマ/アクション
監督 黒澤明
出演者 仲代達矢  (武田信玄/影武者)
山崎努   (武田信廉)
萩原健一  (武田勝頼)
根津甚八  (土屋宗八郎(近習)
大滝秀治  (山県昌景(侍大将)
隆大介   (織田信長)
油井昌由樹 (徳川家康)
桃井かおり (お津弥の方(側室)
倍賞美津子 (於ゆうの方(側室)
室田日出男 (馬場信春(侍大将)
志浦隆之  (内藤昌豊(侍大将)
清水紘治  (跡部大炊助(侍大将)
清水のぼる (原昌胤(侍大将)
山本亘   (小山田信茂(侍大将)
清水利比古 (上杉謙信)
志村喬   (田口刑部)
藤原釜足  (医師)
浦田保利  (観世流)
油井孝太  (武田竹丸)
山中康仁  (森蘭丸)
音羽久米子 (竹丸付き老女)
山下哲夫  (丹波長秀)
阿藤海   (雨宮善二郎(近習)
コピー 動乱の戦国を
巨大なる
幻が行く――

武田信玄は
「己の死を三年間
秘密にせよ」と遺言した。
これは、
偉大な信玄の影武者として
壮烈に生きた男の物語である。
あらすじ
戦国時代。
家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄。
弟:信廉は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者を立てる。
男は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。
男は信廉の手助けを受けながら、信玄として振舞い、味方をも騙す演技を見せる。
そして、信玄の遺言通り、幼い嫡孫が成長するまでの3年間、影武者としての役目を務める。
感想
179分もある大作ですが、その迫力と緊張感のある展開で、一気に見てしまいました。
いつもの通り時代考証に弱い私は、歴史に詳しい旦那の解説を聴きながらの鑑賞となりました。
同じ軍なのに赤や黒や緑があったので混乱しましたが、旗印で見分けるという初歩的な解説から教わりました。(大恥)

最初の顔合わせから引き込まれますね。
長回しで信玄と影武者が唯一顔を合わせた時を見せるシーン。
余裕があり重厚な佇まいの信玄。
粗野で落ち着きのない影武者。
引きの映像なのにこの演じ分けが伝わるのが素晴らしい。
ここで一気に入り込む事が出来ました。

男の影武者としての振舞いには、いつバレてしまうのかとヒヤヒヤさせられました。
元がコソ泥で所作に品もないし、武田家への忠誠心もなし。
しかし、思った以上の働きをし、孫の竹丸も手懐けてしまう名演技。
そのおかげで三年間も影武者で周りを欺く事に成功しました。

ここの辺りの事情が分からない為、影武者の重要性がいまいち理解出来ていませんでした。
息子の勝頼がいるんだから、世代交代をすれば良いのではないかと思ってしまいます。
しかし、勝頼が一人で出陣してしまった時、背後に信玄がいると思わせる事で勝利した所を見て、影武者の重要性を感じました。

そして、最後の長篠の戦。
あまりの迫力に息を?みました。
最強を誇った武田の騎馬隊が、無数の銃弾にたおれてしまうのですが、直接的な描写はなく、おびただしい数の銃声だけでそれが表現されているんです。
それでも画面から目を背けたくなるほどの迫力で驚かされました。

この大量の馬と兵隊の数で相当な製作費がかかっていると分かります。
その甲斐がある迫力ある映像になっていました。

さすが黒澤明監督。
とても見応えある作品で、ぐぐっとこの作品に引き込まれました。
丁寧な説明は無いので、ある程度この時代の知識がないと置いてけぼりにされてしまいます。
旦那の解説があって助かりました。

カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。
鑑賞日 2022.03.11

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spink.gif かげろう(2003)   フランス  R−15+
  STRAYED  [95分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/ロマンス/戦争
監督 アンドレ・テシネ
出演者 エマニュエル・ベアール      (オディール・ジャンベール)
ギャスパー・ウリエル       (イヴァン)
グレゴワール・ルプランス=ランゲ (フィリップ・ジャンベール)
クレメンス・メイヤー       (カティ・ジャンベール)
コピー 彼に導かれ、
辿り着いたのは、森の果て
あらすじ
1940年、フランス。戦火の中、南仏を目指す市民達。
その中に2人の子供を連れた未亡人のオディールもいた。
途中でイヴァンという青年と出会い、行動を共にする事になった。
しかし、何かにつけて対立するオディールとイヴァン。
そんな事を繰り返している内に、2人は徐々に打ち解けていった。
食べ物が底をついた一行は、留守の家に侵入して勝手に住みついてしまう。
感想
またものすごい美形くんに出会ってしまったわ。
ギャスパー・ウリエルくん!
素敵過ぎ〜!
役は結構悪な設定だったけど、もうその美しさにやられっぱなしです。

刑務所と感化院って違うのかな?
そんな悪い人には見えなかったので意外でした。
そのせいか話し方を知らないらしく、いきなり「妻になってくれ」って!
あまりに唐突すぎて驚きました。

この作品はパッケージから想像してた話とは、全然違うものでした。
官能的な物語なのかな?と思ってたのに、そういうシーンは1箇所しかなかったでしょ。
最後までキスはしなかったしね。
その点ではちょっと期待ハズレだったな。
戦争中、疎開してきた親子と、その途中に偶然出会った青年との暮らしが描かれた作品です。

途中に白黒で入る戦争のシーンが、今は戦争中だったと思い出させるだけで、後はいたって平和でしたね。
見つかれば極刑に処されるという緊張感は、あまり感じませんでした。
夜も普通に電気つけてましたよね?
こっちが大丈夫か?って心配したくらいです。

でも、男女の微妙な関係で生まれる緊張感はありました。
いけないと思いながらも惹かれて行く、あのドキドキ感が良いですよね〜。
やっぱりこういうドラマ、大好きだわ!

最後が悲しいのはフランス映画だからかしら。彼は何故その道を選んだのだろう…。

どうでも良いけど、カティの「子供が欲しくて来たの」には笑ったな。
どこで覚えたんだ?!
鑑賞日 2004.06.21

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spink.gif 過去のない男(2002)   フィンランド/ドイツ/フランス
  MIES VAILLA MENNEISYYTTA  [97分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ/ロマンス/コメディ
監督 アキ・カウリスマキ
出演者 マルック・ペルトラ   (記憶喪失の男)
カティ・オウティネン  (イルマ)
アンニッキ・タハティ  (救世軍のマネージャー)
ユハニ・ニユミラ    (ニーミネン)
カイヤ・パリカネン   (カイザ)
サカリ・クオスマネン  (アンティラ)
エスコ・ニッカリ    (銀行強盗)
コピー 人生は前にしか進まない
あらすじ
フィンランド、ヘルシンキ。ある男が公園で暴漢に襲われた。
重傷を負いながらも公衆トイレまでやって来た男は、病院に運ばれ一命を取り留めた。
しかし、男は病院を抜け出し、倒れている所を近くのコンテナに住むニーミネン親子に助けられた。
男は殴られたショックで、記憶を失っていたのだ。
落ちついて生活するためにコンテナを借り、救世軍の食事をもらいにいく。
そこで働いていたイルマに恋をした男は、彼女の職場を訪れ仕事をもらう。
感想
全体的に淡々としていて、あっさりな印象です。
特に人々があっさりで、別れ際の機械的な動きが気になりました。
お話しもさっぱりしているんだけど、その中には初々しさがあって面白い雰囲気が出来てました。
男が記憶喪失で頭が真っ白なのと、イルマが初恋で心が真っ白なのが、この初々しさを醸し出してるんでしょうね。

そのイルマを演じたカティ・オウティネンが良いですね。
いい年なのに男に誘われて、化粧に目覚める所なんか可愛くて、こちらまでキュンとしました。
この作品ではあまり笑わなかったけど、インタビューを受けている時の笑顔はとても素敵でした。

イルマがいた救世軍ってのが良く分からないのですが、軍ってくらいだから国の組織なのかな?
黒の制服がカッコイイです。

始めは男の周りの人々がすごく貧しい生活をしていたので、フィンランドは今でもこんな風なのかと思ってました。
でも、違うんですよね。
浮浪者に焦点を当ててるからこんな生活なんです。
ここに気付くまで結構時間がかかってしまいました。(汗)

カンヌでパルム・ドッグ賞に輝いたと言う"ハンニバル"。
ワンちゃん好きは、この可愛さにメロメロになる事間違い無し!
しかし、"ハンニバル"って名前には笑ったな〜。
いや、"ハンニバル"がこんなに可愛い事に笑いが…。
この見せ方は絶妙で関心しました!

役者さんは皆カウリスマキ組なんですね。
「パラダイスの夕暮れ」とか見たはずなのに全然思い出せないわ。(^_^;)

あと、一昔前のような音楽も良かったです。フィンランドでもこういう曲が流行ってたんでしょうね。
最後まで淡々としていたので、私の感情もそんなに起伏はなかったのですが、後からぼわ〜っと暖かくなる感じですね。
素直に「良いんじゃない」って言えます。
しかし、列車の中で寿司が出てきたのには驚きました。 しかも、日本酒とは。監督は日本が好きなのね。
鑑賞日 2004.08.08

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spink.gif 累 -かさね-(2018)   日本     [112分]
管理人評価   ★★
ジャンル サスペンス
監督 佐藤祐市
出演者 土屋太鳳  (丹沢ニナ)
芳根京子  (淵累)
筒井真理子 (淵峰世)
生田智子  (丹沢紡美)
横山裕   (烏合零太)
村井國夫  (富士原佳雄)
壇れい   (淵透世)
浅野忠信  (羽生田釿互)
コピー 私は
あなたに
なりたいの
あらすじ
今は亡き伝説の女優・淵透世の娘・累は、母ゆずりの天才的な演技力を持ちながらも、幼いころからその醜い容姿に劣等感を抱き、苦しめられてきた。
それでも女優への憧れが捨てきれない累は、母が遺した口紅に、キスした相手の顔を一定時間奪い取ることができる不思議な力があることを知る。
そんな中、累の前に母を知る謎の男・羽生田釿互が現われ、彼女に丹沢ニナという女優を紹介する。
ニナは美しい容姿を持ちながらも、ある理由ゆえに芽が出ずにいた。
そんな2人の思惑が一致し、累は美貌と才能を兼ね備えた女優・丹沢ニナとして舞台に立ち、一躍脚光を浴びる。
感想
母の口紅をつけてキスすると、相手の顔になれるという不思議なお話。

女優の母譲りの演技力というのが大事な要素なのですが、ダメな演技と良い演技の違いが分からなかったです。
土屋太鳳ちゃんがすごく頑張っているのは分かるんですけど・・・。
設定が面白かっただけに残念です。

でも、舞台での身のこなしやダンスはさすがのキレでした。
この為に土屋太鳳ちゃんがキャスティングされたのでしょう。
その才能は遺憾なく発揮されていました。

気になるのが、若手演出家の烏合さん。
彼がバラエティの印象が強いせいか、真面目な演技が浮いてるように思えて、素直に受け入れらなかったです。
男性とキスした事ない累にキスを教えるというのは、ドキドキの展開だったんですけど、違う俳優さんだともっとドキドキ出来たと思います。

母の謎ももう少し掘り下げて欲しかったです。
地下に監禁してまで利用していた美人の事とか、全然描かれてなかったですからね。
原作漫画には描かれているんでしょう。

最後の舞台「サロメ」の内容が強烈で、そっちの方が気になりました。
好きな人の首を切ってキスするって、とんでも設定過ぎます。
「サロメ」ってこういう内容だったんだ・・・。
この作品より気になっちゃダメですよね。(汗)

漫画原作作品。
鑑賞日 2022.02.15

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spink.gif カサノバ(2005)   アメリカ
  CASANOVA  [112分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ロマンス/コメディ/歴史劇
監督 ラッセ・ハルストレム
出演者 ヒース・レッジャー    (ジャコモ・カサノバ)
シエナ・ミラー     (フランチェスカ)
ジェレミー・アイアンズ (プッチ司教)
オリバー・プラット   (パプリッツィオ)
レナ・オリン      (アンドレア)
オミッド・ジャリリ   (ルポ・サルヴァト)
チャーリー・コックス  (ジョバンニ)
ナタリー・ドーマー   (ヴィクトリア)
コピー 恋愛至上主義
100万もの恋か、ただひとつの愛か…
あらすじ
18世紀のヴェネチア。
巷はどんな女性も虜にしてしまう究極のプレイボーイ、カサノバの噂で持ちきり。
当のカサノバは、修道女との戯れが役人に見つかり御用となってしまう。
結局、今回は総督の計らいでなんとか無罪放免となったカサノバだったが、強力な後ろ盾を得るため良家の子女と結婚する必要に迫られる。
さっそく富豪の娘ヴィクトリアを口説き落とし婚約を取り付けるカサノバ。
ところが、そんな彼の前に、男勝りの剣の腕前と知性を兼ね備える美貌の令嬢フランチェスカが現われる。
そして自らのプレイボーイぶりを舌鋒鋭く批判されたカサノバは、逆に彼女に対する恋の炎をメラメラと燃え上がらせてしまう。
感想
何ていったら良いんだろう。
至って普通のメロドラマですね。
大掛かりではあるけども、終って見れば何てことはなかったです。

カサノバの嘘がどういう風にバレるか、それがどういう風に処理されて終わるのかに興味があったのですが、普通にバレて普通にオワタ印象です。
でも、お母さんが迎えに来るところはやられました。
本当に法王の恋人になったのかと思って、まんまと騙されました。

パプリッツィオとアンドレアがくっついたのも予想外。
年齢的にはこっちの方がお似合いです。

ドレスや装飾品はどれもゴージャスで素敵でした。
1回で良いから裾の広がったドレスを着て踊ってみたいものです。
結構苦しそうだけど・・・。

ヴィクトリア役の女優さんは可愛かったですね。
小悪魔のような笑顔にやられました。

ヒース・レッジャーのカサノバはピッタリでした。
女たらしだけど頼りがいのある魅力的な男性に見えました。
次から次へと出てくる嘘が上手い、上手い。
彼こそ天性の役者でしょう。
いや、ここまで来たら詐欺師かな。
何で死んでしまったんでしょう。
活き活きとした彼を見れるのは、映画の中だけになってしまいました。(涙)

憎めないキャラのパプリッツィオがインパクト大です。
素直にインチキダイエット法を信じちゃうなんて可愛いヤツ。
肖像画も似てないのを気にしてるし。
基本良い人ですね。

フランチェスカも良いんだけど、印象が薄いんです。
でも、綺麗で品がある女性でした。

ラッセ・ハルストレム監督作品だから期待していたのですが、今回はあんまりでした。
次回作に期待したいと思います。
鑑賞日 2008.09.18

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spink.gif 風花 kaza-hana(2000)   日本     [116分]
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ
監督 相米慎二
出演者 小泉今日子  (富田ゆり子)
浅野忠信   (澤城廉司)
麻生久美子  (美樹)
尾美としのり (風俗店の店長)
小日向文世  (廉司の上司)
木之元亮   (隣席の男)
寺田農    (廉司の父)
綾田俊樹   (年寄りの宿泊客)
酒井敏也   (若い宿泊客)
山本真亜子  (富田香織)
高橋長英   (住職)
柄本明    (温泉宿の親父)
香山美子   (ゆり子の母親)
鶴見辰吾   (冨田重之)
椎名桔平   (空港の芸能人)
<声の出演>
笑福亭鶴瓶  (カエルの声)
コピー 帰る場所のない女と男と
あらすじ
満開の桜の樹の下で目覚めた男女。
男は文部省のエリート官僚・澤城廉司。
女は30過ぎの風俗嬢・富田ゆり子。
澤城はエリートながら酒を飲むと必ず記憶をなくす為、酒で失敗し只今謹慎中。
ゆり子の話では、彼女の故郷北海道への5年ぶりの帰郷に付き合うと約束したようで、2人で飛行機に乗り込む。
感想
20年前くらいに見た記憶はあるけど、内容は綺麗さっぱり忘れていたので、新鮮な気持ちで鑑賞出来ました。

ゆり子は乳飲み子を抱えて未亡人になった為、追い詰められて風俗嬢になったのかと思ったけど、元々そういうお仕事をしていた人なんですね。
だから、子供を北海道の母親に預けて、風俗で働けてた訳です。
そういう経験がない女性は、追い詰められてもなかなかそういう選択をしないですからね。

それでも、もう今の生活に嫌気がさしていたゆり子。
たまたまお店で会った廉司が付き合ってくれるというので、思い切って娘に会いに行く事にしました。
でも、5年もほったらかしにしていたので、母の元を訪ねるのが気まずいんですよね。
何も知らず付いて来ただけでも、廉司がいてくれて良かったみたいです。

廉司の方も酒癖が悪過ぎる為、仕事を失い帰る所がない状態。
ヤケクソになってゆり子に付いて来たものの、120年経ってもろくな施設もない北海道に愚痴が止まりません。
いくらエリートでも絶対こういう人とは関わりたくないですね。
お酒で人格変わるとかヤバ過ぎでしょ。

またそんな二重人格な廉司を演じた浅野忠信が上手いです。
スーツにメガネで真面目に見せるのも良いし、千鳥足で暴言吐き続けるのも良い感じでムカつきます。

そんな訳有りの2人が北海道を旅するロードムービー。
ピンクの車が可愛いです。
暗いだけの映画じゃなくて、山間の温泉宿では、主人が歌を歌ったり、演劇を披露したりして笑いを誘います。
やっぱり柄本明は凄いです。
歌も喜劇も上手くて、笑っちゃいました。
ピヨピヨって歌が面白過ぎます。

楽しいひと時を過ごしたのに、また突き付けられる現実。
一回風俗のお仕事をしてしまったら、男性はもうそういう目でしか見ないんですね。
ゆり子もその事に絶望してしまったのでした。

共感は出来なかったけど、理解は出来ました。
偶然出会った二人だけど、ちゃんと意味があったんですね。
希望のある終わり方で良かったです。

小説原作作品。

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spink.gif カサブランカ(1942)   アメリカ   白黒
  CASABLANCA  [103分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ/ロマンス
監督 マイケル・カーティス
出演者 ハンフリー・ボガート      (リック・ブレイン)
イングリッド・バーグマン    (イルザ・ランド)
ポール・ヘンリード       (ヴィクター・ラズロ)
クロード・レインズ       (ルノー署長)
コンラート・ファイト      (シュトラッサ―少佐)
ペーター・ローレ        (ウーガ―テ)
シドニー・グリーンストリート  (フェラーリ)
ドーリー・ウィルソン      (サム)
マドレーヌ・ル・ボォ      (イヴォンヌ)
S・Z・サコール        (カール)
コピー アカデミー賞他世界映画賞に輝く
映画史上最高の《愛》の名篇!
あなたの胸に
すばらしい感動を捧げます
激動のカサブランカに
激しくも哀しく燃え上がる
恋の炎――
(R)
あらすじ
第2次大戦中のモロッコ、カサブランカ。
この街にはナチの脅威から逃れようとする人々が集っていた。
カサブランカでナイトクラブを経営するリックはある日、ドイツ軍発行の通行証を偶然手にする。
逃亡中の対ナチ地下活動家ヴィクターとの取引に臨むリックだが、ヴィクターと共に現われたのは、リックのかつての恋人イルザであった。
感想
さすが名作と言われているだけのことはあります。
最後は感動しちゃいましたよ。
ずっと「ハンフリー・ボガートって何処がカッコ良いのかな〜??」と思ってたんですけど、これを見てその理由が少し分かった気がします。
外見どうこうというよりも、男らしい役のイメージなんでしょうね。

ルノー署長の変わり身の早さにオイオイ!とツッコミをいれたい所ですが、この展開だと文句のつけようがないです。
"時の過ぎ行くままに"という曲が素敵でした。
インストゥメンタルでも歌詞がついても良いんですよね。(当たり前か…)
こんな素敵な思い出の一曲があるって言う事がロマンティックですわ〜。

そして超有名な台詞「君の瞳に乾杯」も、やっと本物が聞けました。
普通の人が言っても「くさ〜」と思うだけですが、ボギーが言うと素敵ですね。

一番感動したのは、ヴィクターたちがリックの店で、ドイツ国歌に対抗してフランス国歌を歌う所です。みんな本当は何か言いたくて仕方なかったんだよね〜。
ギターを持っている女性歌手や、リックに惚れていた女性:イヴォンヌが、一生懸命歌っていたのがとても印象的でした。

ずっと見たい見たいとは思っていたのですが、なかなか手が出ず、やっと見る事が出来た作品です。
少し前に見た「恋人たちの予感」がきっかけで見る気になったんですよ。
こういうきっかけって大切ですよね。

アカデミー賞作品賞、監督賞受賞作品。
ここからはネタばれです。ボタンをクリックで開閉します
鑑賞日 2004.05.02

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spink.gif 華氏911(2004)   アメリカ
  FAHRENHEIT 9/11  [112分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドキュメンタリー
監督 マイケル・ムーア
出演者 マイケル・ムーア
ジョージ・W・ブッシュ  (記録映像)
コピー 主演
ジョージ・W・ブッシュ

監督・脚本
マイケル・ムーア
あらすじ
ブッシュ大統領の再選阻止を最大の目的に製作されたドキュメンタリー映画。
感想
個人的には「ボウリング・フォー・コロンバイン」の方が良かったです。
今回はより難しい問題になっているので分かりづらかったですわ。
まあ、私程度の頭には、前くらい分かりやすい方が良いって事ですね。

あと、私が見たビデオは字幕が見難かったんです。
白いバックなのに白い字幕で、全然読めなかったです。
だから、内容の3分の1は分かってないと思います。どういう事だ??

だから前半は寝ちゃいました。また、あとで見直したけどやっぱり読めず…。
しかし、後半は段々テンポが良くなってきました。

手法としては前と同じで、主役のジョージ・W・ブッシュがしてきたアホな事がてんこ盛りです。
その一つに、911の時、小学校にいたブッシュが、7分間子供用の本を眺めて何もしなかったというエピソードがありました。
あまりに事件が大きすぎて、すぐには理解出来なかったんですよね。
大統領ともあろう人でも初め対処出来なかった大事件という事です。

一番印象に残ったのは、息子をイラク戦争で亡くしたライラさんの話です。
彼女の話には涙が出ました。戦死した息子からの手紙を読む時がとても辛いです。
なのに、そんなライラさんに「アルカイダが悪い」と言った女性がいました。
だったら何故アルカイダを攻撃しないのかと疑問を持たないのでしょうか?
テロはイラクと関係ないと思うな。(私が理解してないだけか??)
しかし、その女性も「息子が死んだのは芝居じゃない」と言われた瞬間、固まってました。

今回は戦争についての話が中心でした。
イラク戦争の悲惨さが痛いです。
その生々しさが辛くて、まともに見ていられません。
一体何人の人間が死んでいったのでしょう。
神なんていないんだ。

またしても考えさせられる作品なのは間違いないです。
再選阻止に効果があるという意見にちょっと納得。誰も反論できない所をついてくるやり方はやっぱり上手いです。
次回作にも期待したいと思います。
鑑賞日 2004.10.04

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spink.gif 花芯(2015)   日本     [95分]  R−15+
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ/ロマンス/文芸
監督 安藤尋
出演者 村川絵梨   (古川園子)
林遣都    (雨宮清彦)
安藤政信   (越智泰範)
藤本泉    (古川蓉子)
落合モトキ  (下宿人の学生)
毬谷友子   (北林未亡人)
コピー 覗いちゃいけない深淵を
覗いてしまったの――
あらすじ
親が決めた許嫁の雨宮と結婚し、息子をもうけながらも、いまだ愛情を知らない園子。
転勤の夫について京都へ移り住んだ彼女は、夫の上司である越智と出会い、一目で心奪われる。
それは園子が生まれて初めて知る恋というものだった。
自らの感情に戸惑いつつも、もはやそれを押し殺して生きていくことが出来なくなってしまう園子だった。
感想
う〜ん。共感できない。
園子の行動が理解出来なくて、ずっともやもやした気分で鑑賞しました。

親に決められた人と結婚したのは可哀想と思いますが、そこからの行動が幼過ぎて一人の親としての行動とは思えません。
実際の年齢も幼かったのかな?
でも、妹の方はしっかりしていたので、そうでもないのかな。

越智との事もそれまで目が合うとか麻雀を一緒にしていたくらいの接点しかなかったのに、いきなり抱き着いてビックリしました。
片思いだと思っていたら、彼の方もその気だったのね。
そこら辺の描写が一つもなくて、いきなりすぎると思いました。

好きな人としかそういう行為をした事ないから分からないけど、この時代は性に対してこんなに奔放だったんでしょうか。
イメージではもっとお堅いイメージというか、結婚まで操を守るくらいの硬さだと思ってました。
まあ、そういう意味では園子も結婚までは純潔を守っていたんですよね。
結婚してからの方が奔放って・・・珍しいんでしょうね。

夫と行為中に「好きな人に抱かれるとどんな感じだろう」(うろ覚え)っていうのはルール違反じゃないですか。
あまりに旦那が可哀想で同情しちゃいました。
旦那が同じこと言ってきたら離婚を考えるかもしれません。
それくらいデリカシーのない言葉ですよね。

自由ってこういう事なのかな?
すごく考えさせられました。
自分の意志ではない結婚だったとはいえ、親切にしてくれる相手に対してあまりに失礼じゃないですか。
最後の園子の姿を見ると、因果応報という言葉が思い浮かびました。
やっぱり神様は見てるのかな。

主役の園子を演じた村川絵梨さんは、かなり体張って頑張ってましたね。
性に奔放な園子役がぴったりはまってました。
憎たらしい程の行動をとる女性だけど、抱きしめたくなる可愛さも持ち合わせている魅力のある女優さんです。

でも、共感は出来なかったので、評価は上がりません。
瀬戸内寂聴さんの作品はどうも苦手なんですよね。
『花芯』というのは中国語で『子宮』という意味らしいです。
なるほど。
納得の内容でしたね。
園子は自由の意味をはき違えちゃったのかな?
幸せにはなれなかった所を見ると、自由もある程度不自由があった方が良いのかなと思う、今日この頃です。
鑑賞日 2019.06.04

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spink.gif ガス燈(1944)   アメリカ   白黒
  GASLIGHT  [114分]
管理人評価   ★★
ジャンル サスペンス
監督 ジョージ・キューカー
出演者 シャルル・ボワイエ    (グレゴリー・アントン)
イングリッド・バーグマン (ポーラ・アルクィスト・アントン)
ジョセフ・コットン    (ブランアン・キャメロン)
メイ・ウィッティ     (ベッシー・スウェイツ)
アンジェラ・ランズベリー (ナンシー・オリヴァー)
バーバラ・エヴェレスト  (エリザベス・トンプキンス)
トム・スティーブンソン  (ウィリアムズ巡査)
ヘザー・サッチャー    (ダルロイ夫人)
エドモンド・ブレオン   (ハドレストン刑事部長)
エミール・ラモー     (マエストロ・グアルディ)
コピー ベルグマンのアカデミイ賞獲得映画!
初夏の最大の巨篇!
あらすじ
ロンドン、ソーントン街。
ガス燈の点る頃、この町を後にしイタリア留学に向かうポーラ。
彼女の育て親である、名歌手の誉れ高き叔母は何者かに殺され、事件は未解決。
傷心のまま旅立った彼女だったが、新天地で恋をし、声楽の勉強を諦め、その相手、作曲家のグレゴリーと夫婦になる。
彼は彼女の育った家に関心を持ち、そんな落ち着いた環境で暮らしてみたいと言うので、ポーラも忌わしい記憶を拭い去って、ロンドンで再び生活を始める。
しかし、叔母のピアノに男名前の差出人の手紙を見つけて以来、物忘れや盗癖が目立ち始めたと、夫が指摘するようになった。
感想
どう見ても夫が怪しいので、ポーラに小言を言う度にイライラさせられました。
そう言って隠すんでしょ、あんたがやったんでしょ!って言いたくてうずうずしながらの鑑賞です。

もうポーラが可哀そうで辛いんですよ。
純粋な彼女は、夫に言われるがまま自分がおかしいんだと思い込んでしまって・・・。
1970年代後半以降、心理的虐待を表す用語として「ガスライティング」が使われるようになったのにも頷けます。

どう贔屓目に見ても、100%犯人が分かる映画って珍しくないですか。
私が当ててるくらいだから、そういう作りになってるって事ですよね。
また夫役のシャルル・ボワイエが上手い事!
優しそうな顔して腹の中は真っ黒という悪の中の悪がはまり過ぎてます。

ちょっとイライラ部分が長かったもので、最後の解決編でもこのモヤモヤが完全には晴れませんでした。
本当はポーラの感情の爆発が、スッキリポイントだと思うんですけど、私には物足りません。

ガス燈って馴染みがないですけど、他の所で使うと暗くなるって現象があるんですね。
1軒1軒パイプがあったんでしょうか。
どういう仕組みか気になりました。

軽そうなメイドを演じたのは、「クリスタル殺人事件」でミス・マープルを演じたアンジェラ・ランズベリーですか!
どこかで見た事あるような・・・?と思ってたんですよ。
こんな所でスッキリ出来ました。ww

アカデミー賞主演女優賞受賞作品。
鑑賞日 2021.03.17

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spink.gif 風が強く吹いている(2009)   日本     [133分]
管理人評価   ★★★
ジャンル 青春/ドラマ/スポーツ
監督 大森寿美男
出演者 小出恵介  (ハイジ(清瀬灰二)
林遣都   (カケル(蔵原走)
中村優一  (王子(柏崎茜)
川村陽介  (ニコチャン(平田彰宏)
ダンテ・カーヴァー (ムサ(ムサ・カマラ)
橋本淳   (神童(杉山高志)
森廉    (ユキ(岩倉雪彦)
内野謙太  (キング(坂口洋平)
斉藤慶太  (ジョータ(城太郎)
斉藤祥太  (ジョージ(城次郎)
高橋ひとみ (寛政大学の事務局員)
近藤芳正  (東京体育大学陸上部のコーチ)
寺脇康文  (カケルの高校時代の陸上部監督)
鈴木京香  (ハイジのかかりつけの医者)
水沢エレナ (勝田葉菜子)
五十嵐隼士 (榊浩介)
渡辺大   (藤岡一真)
津川雅彦  (田崎源一郎)
<声の出演>
和久井映見 (神童の母)
コピー 俺たちはつかんだ。
人生を変える、一歩を。
あらすじ
寛政大学の4年生ハイジは、新入生のカケルに声を掛けると半ば強引に自分が寮長を務める竹青荘に入居させる。
まかない付きで3万円という破格の家賃の裏には陸上部への入部という条件が付いていた。
カケルは、高校時代には将来を嘱望されていた天才ランナーだったのだ。
そんなカケルとの出会いが、ハイジに無謀な夢への一歩を決意させる。
そして、寮の住人たちを前にして、このメンバーで箱根駅伝に出場する、と宣言するのだった。
感想
以前見た事あると思うのですが、綺麗さっぱり忘れていて新鮮な気持ちで見る事が出来ました。
丁度、今年の箱根駅伝もやっていて、ぴったりの季節に見れるように、GYAOで無料配信していました。

まあ、こんなにすんなりと箱根に出れる事はないでしょうけど、記録が全てなので良い選手を揃えれば可能性はゼロではない所が夢があります。
2人のエースを軸に、かなり粒ぞろいの選手たち。
ハイジは箱根の為に、かなり厳選した選手選びをしていたんですね。

”あおたけ”の令和ではあり得ない古さも良かったですね。
床を踏み抜いたら階下が見えるって、どれだけ欠陥住宅なんですか!
王子の部屋の様子を見たら、下の部屋には怖くて住めません!

実力ナンバー1のカケルを演じた林遣都くん。
長距離の走り方、姿勢の良さなどエースに相応しい体の動きを体現されていて感心しました。
始めは無謀な夢に呆れていた彼も、ハイジの真剣さやメンバーの頑張りを見て、徐々に本気で箱根を目指すようになりました。
その過程も丁寧に描かれていて良かったです。

アニメにもなっているんですね。
機会があればそちらも見てみたいと思います。

三浦しをん小説原作作品。
鑑賞日 2022.01.02

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spink.gif 風が吹くまま(1999)  フランス/イラン
 THE WIND WILL CARRY US  [118分]
管理人評価   
ジャンル ドラマ
監督 アッバス・キアロスタミ
出演者 ベーザード・ドラーニ  (ベーザード・ドラーニ)
ファザード・ソラビ   (ファザード・ソラビ)
コピー
あらすじ
イランの田舎にあるシアダレ村に、この村特有の葬式を取材に来たTVクルーたち。
死にそうな老婆がいると聞いてやってきたが、その老婆はなかなか死んでくれない。
彼らは何も出来ず、ただ待つ事しかない日が続いた。
携帯電話がかかると電波の悪い村から小高い丘へと車で移動しなければならなかったり、会社からの催促の電話などで苛立ち始めたプロデューサー:ベーザードは親切にしてくれた老婆の孫ファザードにつらく当ってしまう。
感想
最初の一時間くらいは、TVクルーが何でこの村に来たのかが全然分からないので、ただ呆然と事の成り行きを見守るしかありません。
でもそれが心地よく全然苦痛では無かったです。
街の喧騒を忘れて、静かな雰囲気を主人公と一緒に探索するという感じがとても新鮮でした。

シアダレ村のとっても長閑な風景で心が癒されます。
土で出来た遺跡のような家が建ち並ぶ村を、ファザード少年に案内してもらって歩く最初のシーンは、迷路を探検しているような気分になれて楽しかったです。
しかしこれが2時間続くとさすがに飽きてきます。
常に同じ色の風景なのでメリハリが無く、ずっと見ているのが辛くなってきました。

台詞を言っている人をあまり映さないのも特徴です。
と言っても出演者は、主にTVプロデューサーのベーザードと案内をしてくれるファザードだけですけどね。
村の人から話しかけられたベーザードやファザードの映像に、いろんな声が入ってくる感じです。
出演者がみんな素人だというので、こういう作りなのでしょうね。
主演のベーザードも役者ではなく、本業は製作側だそうです。

山奥の辺境地が舞台な為、携帯電話の電波が悪いと電話がかかる度に小高い丘に向かうのも最初は面白くて良かった。
でもその繰り返しを見せられると飽きてしまいました。

そして後半は、ベーザードの無神経さに腹が立ってしょうがないのです。
真面目に学校に通っている少年が「学校に遅刻するから」と言っているのに、あのおっさんと来たら 「牛乳を入れる容器が今すぐ欲しい」だって!!
それくらい自分で調達しろよ!
これは本気でむかついた。
ファザード役の少年も役者ではない為、おっさんに怒鳴られた後、演技ではなく本当に怒っていたようです。
そりゃそうだろう…。気持ち分かるよ、ファザード君。

前半は新鮮な気持ちで見れたけど、後半は飽きたのと腹立たしいので、見るのが苦痛だった作品でした。
終わり良ければ全て良しと言いますが、最初が良かったらなんて言えば良いのでしょうか。
前半が夢かと思うくらい後味が悪かったです。
鑑賞日 2003.05.16

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spink.gif 風立ちぬ(2013)   日本     [126分]
管理人評価   ★★★
ジャンル アニメ/ドラマ/ロマンス
監督 宮崎駿
出演者 〈声の出演〉
庵野秀明    (堀越二郎)
瀧本美織    (里見菜穂子)
西島秀俊    (本庄季郎)
西村雅彦    (黒川)
スティーブン・アルパート  (カストルプ)
風間杜夫    (里見)
竹下景子    (二郎の母)
志田未来    (堀越加代)
國村隼     (服部)
大竹しのぶ   (黒川夫人)
野村萬斎    (カプローニ)
コピー 生きねば。
あらすじ
少年時代に夢の中で憧れのカプローニ伯爵と出会い、飛行機の設計士になることを決意した堀越二郎。
1923年、東京帝国大学に進学するため上京した彼は、列車の中で里見菜穂子と出会い心惹かれる。
そしてその移動中に関東大震災に遭遇、混乱の中で菜穂子とお供のお絹を助ける。
卒業後、晴れて三菱内燃機株式会社への入社を果たした二郎は、念願の設計士としての道を歩み始める。
しかし、視察したドイツのユンカース社で技術力の差を痛感し、設計主務者に選ばれた七試艦上戦闘機のテスト飛行も失敗に終わる。
1933年夏、失意の中で軽井沢を訪れた二郎は、そこで菜穂子と運命の再会を果たす。
感想
大人を唸らせる良い作品です。
旦那は、時々思い出したようにDVDを出してきて見てます。
ジブリ作品の中でもかなり上位のようです。

なかなか感想が難しい作品でもありますね。
飛行機、震災、戦争、病気、恋愛。
様々な要素がバランス良く入っていて、空想と現実の対比も上手いです。
さすがジブリ作品です。

何度も見ている内に庵野監督の声優も違和感が無くなってきましたが、最初はやっぱり抑揚がなさすぎてどうも苦手でした。
でも、不思議なもので、だんだん不器用な次郎にはこういう声があってるなと思うようになってくるんですよね。
この配役を決定した宮崎監督も素晴らしいです。

時間が経って見直してみると、始めの印象と全然違っていて驚きました。
久しぶりに見直してみて良かったです。

スタジオジブリ長編アニメ第19作目。
鑑賞日 2017.09.05

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spink.gif 風の大陸(1992)   日本
  The Weathering Continent  [54分]
管理人評価   ★★
ジャンル アニメ/アドベンチャー
監督 真下耕一
出演者 〈声の出演〉
関俊彦     (ティーエ)
高山みなみ   (ラクシ(アルン・アーダ))
屋良有作    (ボイス)
広中雅志    (アルン・ハラド)
江森浩子    (バルニ・リファス)
銀河万丈    (ガテン・ラクム)
郷里大輔    (盗賊副長)
佐藤正治    (家臣)
コピー アトランティスに眠る死の黄金都市の罠!!
あらすじ
砂に埋もれかけた遺跡に、三人の旅人がたどり着いた。
そこには旅人たちの真新しい死体があり水樽はすべて破壊されていた。
水を求めて遺跡の奥へと足を踏み入れる三人。
この遺跡は、繁栄を極めた都市であったが、豊かさと幸福を死後の世界でも享受し続けたいと願った人々によって作られた、死者の霊が永遠に住み続けている呪われた都市であった。
遺跡の中で、旅人を襲った盗賊と鉢合わせしてしまった三人であったが、辛くも逃げ出し、運命の神セイタの神殿に逃げ込んだ。
感想
良く分からないことが多すぎて、事の成り行きを見守る事しか出来なかったのですが、最後までそれは解決されることが無く、置いてけぼりのまま終わってしまいました。

まず、3人の旅の目的と関係性が説明されないので、この旅の意味が分かりません。
いつ出会って、どういう目的で一緒にいるのか。
それすらも示されないので、知らなくても成立するのかと思ったのですが、こうなのかな?ああなのかな?と匂わせるだけで、正解らしい正解は見つけられませんでした。
私の理解力が未熟なせいかもしれませんが・・・。

ティーエの役割が重要なんでしょうけど、何だか中途半端ですよね。
霊を操る力を持っている薬師で、死者の声を聞くことが出来、死者の過去も見れる。
だから、霊と戦う時には絶対必要な人なんですけど、盗賊に捕まってしまって、肝心な時にいないんですよね。
まあ、その後出てくる重要な存在を際立たせるためだから、言っても仕方ないんですけど・・・。
もっと活躍するのかと思っていたので、意外でした。

まあ、正直あんまり楽しめませんでした。
ファンタジーアドベンチャーだと思って期待したんですけど、原作のライトノベルを読んでからじゃないとダメみたいですね。
機会があったら挑戦してみたいと思います。
鑑賞日 2005.06.08

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spink.gif 風の谷のナウシカ(1984)   日本
  NAUSICAA OF THE VALLEY OF WIND  [116分]
管理人評価   ★★★★★
ジャンル アニメ/ドラマ/ファンタジー/アクション
監督 宮崎駿
出演者 <声の出演>
島本須美   (ナウシカ)
辻村真人   (ジル)
京田尚子   (大ババ)
納谷悟朗   (ユパ)
永井一郎   (ミト)
宮内幸平   (ゴル)
八奈見乗児  (ギックリ)
矢田稔    (ニガ)
松田洋治   (アスベル)
冨永みーな  (ラステル)
寺田誠    (ペジテ市長)
榊原良子   (クシャナ)
家弓家正   (クロトワ)
コピー 少女の愛が奇跡を呼んだ。
あらすじ
今より千年前の「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により、巨大産業文明は崩壊し、荒廃し錆とセラミック片に覆われ、全ての国が砂漠に点在する世界となった。
辺境にある小国「風の谷」は海から吹く風によって森の毒から守られ、民は慎ましやかに農耕生活を送っていた。
ある夜、大国トルメキアの大型船が城の真上に出現。
蟲に襲われて制御を失い、崖に突っ込み風の谷に墜落する。
感想
宮崎駿監督作品の中で、一番好きな作品です。
感想が無かったのでいつか再見しようと思いつつ、なかなか手が付けられなかったのですが、中2の娘がジブリに興味を持ったので一緒に鑑賞しました。

何回も観ているのにやっぱり忘れている箇所が多々ありますね。
そして、何度見ても初見のように感動出来るのも、この作品の素晴らしい所です。
墜落しそうな部下たちに、マスクを取って笑顔で話しかけるシーンで、毎回泣きそうになります。
ナウシカの優しさがこれでもかと溢れている素敵なシーンです。

もう一人お気に入りなのが、カッコ良く強いユパ様。
父を殺されて我を忘れたナウシカを体を張って止める所なんか、カッコ良過ぎて鳥肌ものです。
またトルメキア軍に占領されたペジテの飛行船に乗り込むシーンも素敵ですよね。
最小限の動きで相手の攻撃力を無にしてしまう技が圧巻です。

有名なシーンが多過ぎて、とても全部は書ききれません。
それくらい全てが完璧な作品です。
今回再見して改めてそう確信しました。

青き衣で金色の野を歩くナウシカ。
空に舞うメーヴェ。
また最後のシーンで鳥肌が立つほど感動してしまいました。

コミックで続きはありますけど、映画は完璧に完結しているのが素晴らしいです。
鑑賞日 2022.08.13

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spink.gif 風の電話(2020)   日本     [139分]
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ
監督 諏訪敦彦
出演者 モトーラ世理奈 (ハル)
西島秀俊    (森尾)
西田敏行    (今田)
三浦友和    (公平)
渡辺真起子   (広子)
山本未來    (妊婦さん)
コピー もう一度、話したい
あらすじ
8年前の東日本大震災で家族を失い、いまは広島に住む伯母の家に身を寄せている高校生のハル。
心に深い傷を抱えながらも、叔母に支えられ日常生活を送ってきた。
ところがその叔母が倒れて入院してしまい、不安と悲しみから道端で気を失ってしまう。
偶然通りかかった男性に助けられた彼女は、一人で故郷の大槌町へ向かうことを決意する。
感想
正直、ちょっと苦手なタイプの映画でした。
間が独特で長いなと思ってしまって集中出来ないんですよ。
あと、女子高生一人でヒッチハイクとか、危な過ぎて冷や冷やしました。

しかし、乗せてくれるのは良い人ばかり。
パーキングでちょっと輩に絡まれましたけど、あとはスムーズに行く辺りから出来過ぎだなと思ってしまいました。
『風の電話』に行く為の道のりが、作られ過ぎていて冷めた目で見ていました。

最初に豪雨災害の被災者に助けられたハル。
そこには原爆を経験したおばあさんがいるんです。

ヒッチハイクで乗せてくれた妊婦さんの姉弟。
これは命の誕生をハルに感じさせる為でしょう。

そして、ハルと同じく妻と子供が津波に流され未だに見つかっていない森尾との出会い。
輩に絡まれた時に助けてくれたのですが、その後車で寝泊まりしながら、震災ボランティアだったクルド人のメメットさんを探している事が分かるのです。
入管に捕まり1年以上収監されているというメメットさん。
ここでは異国で苦しむ外国人をハルに感じさせたように思いました。

福島の森尾の実家では原発事故で苦しむ人々。
行く先行く先に被災者や犠牲者がいて、「理不尽な目に遭ってるのはあなただけじゃない」と押し付けられていると感じてしまいました。

私が身近にそういう人がいないから、そう感じてしまったのかもしれません。
大切な人を理不尽に亡くし、心に傷を負った時に初めて理解出来るのでしょう。
傷を癒すには時間と人との触れ合いが必要なんだと・・・。

最後の『風の電話』での語りはなかなか良かったです。
亡くなった人と話せる電話。
こちらが一方的に話すだけですが、相手が聞いてくれてると思うと素直に心を開放する事が出来るのですね。
素敵なアイデアだと思います。

今回はあまり評価が上がりませんでしたが、いつかこの作品を見直したくなる時が来るんじゃないかという気がしてます。
理不尽な事はないに越したことはないですが、大切な人が亡くなるのは避けられませんからね。
そんな予言をここに記しておきます。
鑑賞日 2021.09.21

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spink.gif 家族の肖像(1974)  イタリア/フランス
 CONVERSATION PIECE  [121分]
管理人評価   
ジャンル ドラマ
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
出演者 バート・ランカスター    (教授)
ヘルムート・パーガー    (コンラッド)
シルヴァーナ・マンガーノ  (ビアンカ)
クラウディア・マルサーニ  (リエッタ)
ドミニク・サンダ        (教授の母)
クラウディア・カルディナーレ (教授の妻)
コピー ヨーロッパ文明の終焉によせて謳いあげる巨匠ヴィスコンティ
畢生のレクイエム
あらすじ
家族の肖像の収集家である一人暮しの老教授の家に、いきなりブルモンティ侯爵夫人と名乗る女性とその娘が部屋を貸してくれと言って入って来た。
彼女たちのしつこさに負けて、一番上の部屋を貸す事にしたのだが、静かな暮らしを送っていた教授の生活は一変した。
実際部屋に入ったのは侯爵夫人の愛人コンラッドという青年で、部屋は勝手に壊す、一年間という約束なのに彼は買取りだと主張するなど食い違うことばかりだ。 教授は訳が分からずに頭を抱える。
感想
始めの入り方がおかしすぎませんか?
いきなり来て、貸家でも無いのに部屋を貸してくれって…。
それともこの国では、これが当たり前なのでしょうか?
ブルモンティ一家の行動や言動にいちいち腹が立って、冷静に落ちついては見れませんでした。

こんな人達にでも、孤独だった老教授は家族を見出し嬉しかったということでしょうか?
それにしてもあの横暴な態度には我慢できません。
私にはこの映画の良さが理解できませんでした。

原題の「カンヴァセーション・ピース」というのは、親しい友人同士や家族の団欒を理想化された風景の中で描いた絵画様式の総称だそうです。
だから正に家族の肖像なんですね。
教授はこれを集めて、部屋中に飾っていました。
孤独な心をこれで癒していたのでしょう。

最後の教授がベッドに寝ていると、誰もいないはずの2階から足音が聞こえるという終わり方は素敵だなと思いました。
ちょっと前のシーンで「2階から死神の足音が聞こえてくる」って自分で言ってましたもんね。
でも本音は終わってくれてホッとしたです。
ここまで見続ける事が苦痛でした。
素敵なお話だとは思いますが、私には耐えられませんでした。

理不尽に弱い方は、覚悟して見た方がいいと思います。
鑑賞日 2003.03.19

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spink.gif 学校(1993)   日本     [128分]
管理人評価   ★★★★★
ジャンル ドラマ
監督 山田洋次
出演者 西田敏行  (黒井)
新屋英子  (オモニ)
裕木奈江  (みどり)
竹下景子  (田島蛍子)
萩原聖人  (カズ)
翁華栄   (張:チャン)
中江有里  (えり子)
田中邦衛  (猪田幸男)
神戸浩   (修)
大江千里  (河合茂)
コピー もっと愛されたい。
あらすじ
東京下町の夜間学校で10年間教員を務めている黒井。
卒業を間近に控えたある日、彼は生徒たちに卒業文集を書いてもらう。
そして、これまでの生徒たちとの交流を思い出していた。
手の付けられない不良だったみどり、
生意気だがキツイ仕事も真面目にこなすカズ、
無口で不登校だったえり子、
韓国人で日本語が書けないオムニ、
文盲だが記憶力が抜群で競馬大好きなイノさん、
日中のハーフで日本に反感を持っているチャン、
知的障害のあるオサム。
そんな中、入院中だったイノさんが急死したとの連絡が入る。
黒井は急遽ホームルームを開き、イノさんについて皆で話そうと提案した。
感想
感動。その一言に尽きます。
もう始まって10分で泣かされてから、ことごとく泣き所で泣かされて、涙腺の制御不能状態に陥りました。
自分でも知らない内に涙が流れてきて、息苦しくなるくらいボロボロです。(汗)
エンドロールが終わってもしばらく涙が止まらず、放心状態で余韻にひたりました。

もうさすがとしか言いようがない!
山田監督の日常の切り取り方が大好きです!
それぞれの生徒との出会いは、どれもこれもジーンとくるお話でした。
本当に上手いですね。
やっぱり一番心に残ったのは、イノさんですね。
何事にも一生懸命な彼の生きざまを見ているだけで涙がこぼれます。
不器用で何をしても上手くいかないけど、最後は幸せだったんじゃないかな。
生まれて初めて書いた手紙でフラれちゃったけど、それだって彼には意味のある事だったはずです。
1週間もかけて書いたんですもん。
しかし、必要以上に筆圧が高かったですね。(笑)

そして、感動しきりだった奈良への修学旅行。
個人的に奈良へ行ったばかりだったので、薬師寺や若草山が出てきただけで嬉しかったです。
気合入りまくりだったイノさんの蝶ネクタイ、良かったです。
彼の笑顔を見ているだけで泣けました。

最後の”幸福”については、私もかなり考えさせられました。
とても難しいテーマですね。
自分がそう思えば幸福だと思うけど、他人に指摘されて壊れてしまう事もある。
そんな脆くて弱いものだからこそ、大切にしていきたい。
そう思いました。

役者さんたちも皆、素晴らしかったです。
それぞれの役を生き生きと演じられていて、役と一体化されていたので、どっぷり浸って見れたんだと思います。
本当に素敵でした!

笑いと感動のバランスが最高だと思います。
心から見て良かったと思える作品でした。
出会えて嬉しいです。

《関連作品》
第2作「学校II(1996)
第3作「学校III(1998)
第4作「十五才 学校IV(2000)
鑑賞日 2008.09.22

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spink.gif 学校II(1996)   日本     [122分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ
監督 山田洋次
出演者 西田敏行   (青山竜平)
吉岡秀隆   (緒方高志)
浜崎あゆみ  (由香)
神戸浩    (久保佑矢)
中村富十郎  (小宮山勇吉)
鈴木美恵   (ゆりこ)
小籔千豊   (いとう)
泉ピン子   (緒方綾子)
原日出子   (久保文枝)
いしだあゆみ (北川玲子)
永瀬正敏   (小林大輔)
大沢一起   (高志の先輩)
梅垣義明   (滝川駅員)
笹野高史   (ホテルのマネージャー)
コピー いつも生徒が 真ん中にいた。
あらすじ
竜別高等養護学校で教師をしている青山竜平。
卒業式を間近に控えたある日、生徒の高志と佑矢が買い物に出ると言ったきり、寮に戻ってこないと報告を受ける。
どうやらふたりは旭川へコンサートを見に行ったようだ。
若い小林先生と一緒に、車で旭川へ向かう車中、竜平は高志たちと過ごした3年間を思い返す。
感想
だいぶ昔に見た事あるのですが、全然覚えていなくて新鮮な気持ちで見る事が出来ました。

前半はとにかく佑矢に振り回されっぱなしでした。
すぐに教室から飛び出すし、他の教室でも邪魔ばかり。
トイレもまともに出来ない為、大も小もおもらししてしまいます。
ここまで来たらオムツで対応したら良いのにと思いますが、大人しく履いてくれる訳ありませんね。

あまりに酷い状況なので、若い小林先生に同情しきりです。
しかし、ベテランの先生たちは、愚痴をこぼす小林先生を厳しい口調で諭すのです。
今までも色々な生徒を見て来た先生だから、これだけの問題児も受け入れる事が出来るのでしょう。

そんな中、無口だった高志が、佑矢の世話をするようになりました。
あんなに暴力的だった佑矢も、高志の言う事は素直に聞くのです。
佑矢の母親が高志を抱きしめた時は、目頭が熱くなりました。

最後の卒業式も涙涙です。
これから厳しい社会に出なくてはいけない子供たち。
冷たい世間の風にさらされるだろうと思うと不憫でなりません。
でも、養護学校での楽しい3年間が、彼らの支えになってくれるはずです。

現在は引退された安室奈美恵さんのコンサートが見れるのも貴重です。
竜先生の娘役で浜崎あゆみさんも出演。
将来はミュージシャンになりたいという役で、こちらも貴重ですね。

最高傑作の「1」と比べると、評価はかなり落ちてしまいます。
やはり佑矢のキャラが強烈過ぎて、好き嫌いが出て来ちゃいますね。
でも、見返して良かったと思いました。

《関連作品》
第1作「学校(1993)
第3作「学校III(1998)
第4作「十五才 学校IV(2000)
鑑賞日 2022.10.17

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spink.gif 学校III(1998)   日本     [133分]
管理人評価   ★★★★
ジャンル ドラマ/ロマンス
監督 山田洋次
出演者 大竹しのぶ   (小島紗和子)
黒田勇樹    (富美男)
小林稔侍    (高野周吉)
ケーシー高峰  (鬼塚健)
笹野高史    (金栄洙)
寺田農     (斉藤先生)
余貴美子    (倉本節)
吉岡秀隆    (山本)
田中邦衛    (井上幸男)
さだまさし   (北)
秋野陽子    (高野藤子)
中村メイコ   (紗和子の伯母)
小林克也    (村上)
コピー 私、45才。 生徒です。
あらすじ
10年程前、過労死で夫を亡くした小島紗和子は、自閉症の一人息子、富美男を女手一つで育ててきた。
紗和子は不況の影響で勤めていた会社を解雇され再就職のために資格を得ようと職業訓練校へ通うことに。
そこには大企業をリストラされた高野周吉がいた。
ある日、周吉が紗和子の忘れた教科書を届けたことから二人は次第に心惹かれ合う。
感想
学校」にいたく感動したので、まだ未見だったこちらも見てみました。
大人になったって苦労は沢山あるんですよね。
いや、大人になってからの方が身動きが取れなくなって大変なんでしょうね。

結婚したから、子供を産んだから、それで一区切りなんてないんだなと痛感しました。
とにかく紗和子の強さには脱帽です。
私にもとっても真似できないでしょう。
一人で何もかもやろうと頑張る紗和子には、心優しい友達がいて手を差し伸べてくれているんです。
心の歪んでいた高野でさえも、彼女の人柄に触れて人格が変わっていきましたよね。
紗和子はただ全力でやっているだけだろうけど、それが周りの人の力も引き出しているように思えました。
なんでこんな良い人たちが苦労するんだろうね。

お金の面では貧しくても心は豊かなんですよね。
こういう女性に憧れます。
私ならすぐに泣きごとを言って、誰かれかまわず頼って結局一人になりそう。

職業学校の人たちも良い人たちばかりでしたね。
同じような経験をしているから、人の痛みを分かるんでしょうね。
見ていて心が暖かくなりました。

小林稔侍さんが苦手だから、始め出てきた時「ゲゲッ!!」と思ったのですが、見ていくうちにそうでもなくなってきました。
でも、やっぱりいつもの稔侍さんですね。

自閉症を演じた黒田勇樹さんもお見事です。
トミーという役を完璧に表現してましたね。
「〜かな」風の日記がいつも楽しみでした。

今回もロマンスがあってドキドキさせられました。
どんな時でもやっぱり恋の力は偉大ですもんね。

《関連作品》
第1作「学校(1993)
第2作「学校II(1996)
第4作「十五才 学校IV(2000)
鑑賞日 2008.09.26

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spink.gif 十五才 学校IV(2000)   日本     [120分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ
監督 山田洋次
出演者 金井勇太  (川島大介)
麻実れい  (長距離トラックのドライバー・大庭すみれ)
赤井英和  (大型トラックの運転手・佐々木康)
秋野暢子  (川島彩子)
児玉真菜  (川島舞)
笹野高史  (小型トラックの運転手の児玉)
梅垣義明  (同乗者・宮本)
前田吟   (畑満男)
中村梅雀  (担任の黒井先生)
余貴美子  (薬局の店主)
大沢龍太郎 (大庭登)
真柄佳奈子 (大庭薫)
高田聖子  (金井真知子)
小林稔侍  (川島秀雄)
丹波哲郎  (ひとり暮らしの老人・畑鉄男)
コピー 十五の頃、
あなたの「学校」は、
どこにありましたか。

少年は旅に出た。七千年の歳月を生きてきた縄文杉に逢いたくて・・・。
あらすじ
中学3年生の川島大介はどうしても学校に行くことが出来ず、半年間不登校が続いていた。
ある日、九州の屋久島にある、樹齢七千年を超えると言われる縄文杉を見に行くことを決め、両親に内緒で初めてのひとり旅に出る。
ヒッチハイクで優しい人々と出会い、順調に屋久島へと向かって行く。
感想
不登校の子が一人旅を通じて成長するロードムービーです。
最初は学校の事ばかり聞かれて不貞腐れていた大介。
しかし、ヒッチハイクで優しい人々と出会い、それぞれの生活に触れる事で、自分の置かれている立場に気付いていくのです。

宮崎の女性ドライバーの息子さんとの出会いは、かなり大介に影響を与えていましたね。
ずっと部屋に引きこもって、パズルをしている登。
家族とは口もきかず、食事も一緒に取らない。
しかし、大介には色々な話を聞かせてくれたのでした。
別れの日も、いつも昼過ぎまで寝ているはずの登が、走ってパズルを渡しに来てくれました。
裏に書かれた浪人の詞が、また泣かせるんですよ。
歩みは遅いけど、ちゃんと前進している。
それを聞いたお母さんの涙にもらい泣きしました。

そして、屋久島で出会ったバイカルの鉄さん。
博多の息子さんがやって来て、おもらしした鉄さんに「臭い、臭い」と言うんです。
それに対して放った大介の言葉には、思わず涙がこぼれてしまいました。
この旅で色々な経験をした彼の成長が凝縮した言葉。
思いやりのある良い子になりました。

大介と一緒に旅して、片道10時間もかかる縄文杉を見れた事に感動です。
彼にとってこの旅は一生の思い出になったはずです。
「学校」は色々と形を変えて、常に側にいてくれる存在なんですね。
いくつになっても学ぶ気さえあれば、どんな状況でも「学校」になると教えてもらった気がします。

《関連作品》
第1作「学校(1993)
第2作「学校II(1996)
第3作「学校III(1998)
鑑賞日 2022.10.18

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spink.gif 合葬(2015)   日本     [87分]
管理人評価   
ジャンル 時代劇/青春
監督 小林達夫
出演者 柳楽優弥    (秋津極)
瀬戸康史    (吉森柾之助)
岡山天音    (福原悌二郎)
門脇麦     (福原砂世)
桜井美南    (かな)
オダギリジョー (森篤之進)
コピー 腹は決めた。心は迷っていた。
あらすじ
慶応四年(1868年)。
第十五代将軍・徳川慶喜は江戸城を無血開城し、300年にわたる江戸幕府は終わりを告げた。
将軍と江戸市中を守るために有志によって結成された“彰義隊”も、次第に新政府にたてつく反乱武装集団との立場に追いやられていく。
一方、彰義隊内部でも新政府との徹底抗戦を主張する強硬派と、衝突回避を目指す穏健派に分裂する事態になった。
そんな中、あくまでも将軍に忠誠を誓う極、養子先を追い出された征之助、強硬派の極を案じる悌二郎という3人の隊士も、時代の荒波に否応なくのみ込まれていく。
感想
正直、つまらなかったです。
原作は漫画だそうですが、そちらを見ないと分からないお話なのかなと思いました。

彰義隊の最後の戦いもさらっとしか描かれてないし、見所が全くないですね。
儚く散る青年たちの物語だとしたら、最期はもっとちゃんと描いてほしかったです。

そして、砂世が死のうと思うほどの嘘というのも、いまいち伝わってきません。
あれは夢なのか、現実なのか。
笛という共通点はありましたけど、その続きとして見て良いのでしょうか。

いつもは上手いなと思う柳楽優弥くんも、今回はなんだか合っていないと感じてしまいます。
好きな俳優さんなだけに残念でした。

そんな中、オダギリジョーさんだけは、いつも通りの持ち味を発揮していたのがさすがです。
死に急ぐ若者たちの行く末を案じる心優しい隊士にぴったりでした。

幕末を描くなら、戦闘シーンがないと盛り上がりませんよ。
戦う事無く弾に撃たれて切腹するなんて、何のために彰義隊にいたのか分かりません。
監督は何を描きたかったのでしょうか。

短い作品のはずなのに、かなり長く感じましたね。
時代劇なのに英語の曲が流れたりして、疑問に思う所も多かったです。
鑑賞日 2018.05.29

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spink.gif カッコーの巣の上で(1975)   アメリカ
  ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST  [133分]
管理人評価   ★★★
ジャンル ドラマ
監督 ミロス・フォアマン
出演者 ジャック・ニコルソン       (ランドル・P・マクマーフィ)
ルイーズ・フレッチャー      (ミルドレッド・ラチェッド婦長)
マイケル・ベリーマン       (エリス)
ウィリアム・レッドフィールド   (ハーディング)
ブラッド・ドゥーリフ       (ビリー・ビビット)
ヴィンセント・スキャヴェリ    (フレドリクソン)
ウィル・サンプソン        (チーフ・ブロムデン)
クリストファー・ロイド      (テンバー)
ダニー・デヴィート        (マティーニ)
スキャットマン・クローザース   (タークル)
シドニー・ラシック        (チャーリー・チェズウィック)
ヨシップ・エリック        (バンチーニ)
マーヤ・スモール         (キャンディ)
コピー 一羽は東に 一羽は西に 一羽はカッコーの巣の上を 飛んでいった……
現代アメリカの青春群像をつらぬいた感動と共感!
ステージからスクリーンへ、涙と笑いの中に明日を語る衝撃の問題作!
あらすじ
刑務所の強制労働から逃れるため、精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィ。
そこは規則が厳しく、徹底的に患者が管理されており、その事に彼は強い反発を感じる。
彼は絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちに生きる気力を与えていく。
感想
昔見た記録があって、最後もぼんやり覚えてると思って見始めましたが、全然違う終わり方でした。
記憶何ていい加減なものですね。

マクマーフィは良かれと思って、患者たちを船に乗せて釣りをさせたり、女性を与えて初体験をさせたりしたけど、結局悪い結果にしかならなかったのが切ないです。
患者たちはそれぞれに問題があり、それに合わせた結果、今の病院の体制が出来上がったんです。
普通の人から見ると辛そうな事も、患者たちには必要な処置なのでしょう。

厳しい婦長ラチェッドの方も、彼らを助けたいという気持ちから行動しているので、余計に性質が悪いのです。
煙草を規制したのもマクマーフィが賭けで患者から取りまくったからだし、ワールドシリーズをTVで見せなかったのも、決まった行動を崩されるのが嫌な患者さんがいるからでした。

病院に問題が無かった訳ではありません。
問題行動を起こした患者には、電気を流して普通の思考を奪っていました。
自分たちが扱いやすいようにする為です。
これも職員たちが攻撃されるのを防ぐという目的もあり、長い間良しとされていたのです。

意外だったのは、自主入院の患者が多いという事。
厳しい世の中で生き辛い人たちが、救いを求めてやって来るのです。
ここに来て良くなって出て行った人がいるのかは気になる所です。

この作品が評価されたという事は、これが社会問題として認知されるきっかけになったからなんでしょう。
最後が本当に切ないのですが、それと同時に爽快感も味わえるという不思議な作品です。
マクマーフィは良くも悪くも患者に影響を与えていたのですね。

アカデミー賞作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞受賞作品。

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spink.gif 喝采の陰で(1982)  アメリカ
 Author!Author!  [110分]
管理人評価   ★★
ジャンル ドラマ
監督 アーサー・ヒラー
出演者 アル・パチーノ       (トラバリアン)
ダイアン・キャノン     (アリス)
チューズデイ・ウェルド   (グロリア)
エリック・ゲーリー     (イゴール)
アラン・キング
ボブ・ディシー
コピー パパ大丈夫!?
あらすじ
2、3年ごとに離婚しては、その都度子供を産んでいた女性グロリアと結婚した為に、4人の子供を引き取って一緒に暮らしていた劇作家のトラバリアン。
また例の如く彼女は2、3年で出ていってしまったので、子供たちを本当の父親のもとに返すことになる。
感想
心温まるファミリー・ドラマです。
どんな役でも見事に演じきるアル・パチーノが、ちょっと頼りないけど子供に対する愛情は人一倍の父親役を好演しています。
この母親信じられない!!声を大にして言いたい、
「捨てるならはじめから子供を産むんじゃない!産んだ以上は責任持って育てなさい!」
経済的な理由やその他やむおえない理由なら未だしも、自分の恋の為に子供を捨てるなんて!
一緒に連れていくくらい出来るでしょう!
本当に人格を疑う人物です。
しかし、それを補ってあまりあるトラバリアンと子供達との心温まるストーリーのお陰で後味はいいです。
鑑賞日 2002.12.03

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spink.gif ガッチャマン(2013)   日本     [113分]
管理人評価   ★★★
ジャンル アクション/SF
監督 佐藤東弥
出演者 松坂桃李  (健)
綾野剛   (ジョー)
剛力彩芽  (ジュン)
濱田龍臣  (甚平)
鈴木亮平  (竜)
初音映莉子 (ナオミ/ベルクカッツェ)
光石研   (カークランド博士)
中村獅童  (イリヤ)
岸谷五朗  (南部博士)
コピー その力は、
正義か、破壊か――
あらすじ
21世紀初め、人類は謎の侵略者“ギャラクター”の襲撃に遭い、地球の半分を制圧されてしまう。
人類の最後の望みは、不思議な“石”の力を引き出す“適合者”として、ISO(国際科学技術庁)の南部博士によって幼い頃から究極の兵器になるべく鍛えられてきた5人の若者“ガッチャマン”に託された。
彼らは人類の存亡を懸け、ギャラクターとの戦いに臨む。
感想
なかなか良かったです。
スパイダーマン」のような感覚で見れました。
とにかく戦闘シーンが迫力満載で、スピード感のある映像が見応えありました。

始めにコミカルなアニメがあったので、そういうテイストの作品かと思ったら、笑いの要素はゼロでした。
大真面目なガッチャマンですが、人類に迫る危機など説得力もあり、この世界観を素直に受け入れる事が出来ました。

それぞれのキャラクターにはまった俳優さんたちも良かったと思います。
ちょっと陰のある真面目なリーダーに松坂桃李。
そんなリーダーに憧れる元気な女の子に剛力彩芽。
ハイテクオタクの男の子に濱田龍臣。
力自慢の田舎者に鈴木亮平。
そして、リーダーと対立する自由人に綾野剛。

時に反発し合い、時には力を合わせて、仲間と一緒に困難を乗り越える5人。
真のチームになる為には、多少のいざこざも必要ですよね。
前の失敗から頑なに任務を遂行することに拘っていたリーダー。
彼の心が溶ける過程も良かったです。

そして、敵になってしまった恋人に苦しめられるジョー。
まだ残っていた恋心を上手く利用され、ギャラクターになりかけるのです。
何だか続きがありそうな最後でした。

アニメの実写化って、何でやっちゃったんだ??と思うものが多いですが、この作品はそれなりに意味があったと思います。
全編真面目にやったのが良かったですね。
私があまりオリジナルのアニメを知らないから、そう感じるのかもしれませんが・・・。

まさか「2」があるのかな??
あるなら見てみても良いなと思える作品でした。
鑑賞日 2018.02.13

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spink.gif 勝手にしやがれ(1960)   フランス  白黒
  A BOUT DE SOUFFLE  [90分]
管理人評価   ★★
ジャンル 青春/犯罪/ロマンス
監督 ジャン=リュック・ゴダール
出演者 ジャン=ポール・ベルモンド(ミシェル・ポワカール/ラズロ・コヴァクス)
ジーン・セバーグ       (パトリシア・フランキーニ)
ダニエル・ブーランジェ    (ヴィダル刑事)
ジャン=ピエール・メルヴィル (作家パルヴュレスコ)
ジャン=リュック・ゴダール  (密告する男)
アンリ=ジャック・ユエ    (アントニオ・ベルッチ)
コピー ジャン・ヴィゴ賞に輝く「ヌーヴェル・ヴァーグ」の最新傑作!

現代の青春を描いてこんなに美しい作品はない!
あらすじ
警官を殺してパリに逃げて来た自動車泥棒のミシェル。
アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。
そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。
感想
人気の高い作品なだけに、言いにくいのですが、個人的には合いませんでした。
自動車泥棒を繰り返す男が、つれないアメリカ女性の後を追いまわし、しつこく誘った結果、関係を持つことに成功。
しかし、警官を殺した彼に、警察の捜査が迫って来るというお話。

罪を犯す事を何とも思っていないし、女を口説く為に平気で嘘を付くし、彼のどこを評価したら良いのか分かりません。
しかも、しつこいし女性と寝る事しか考えてないし、一番関わり合いたくない男性の見本のような人です。

そんな彼が惚れ込んでいるのが、アメリカ人記者のパトリシア。
どんなに口説かれても簡単にはなびきません。
それが凄くカッコ良かったですね。
まあ、それにはある理由があった訳ですが・・・。
ベリーショートの髪型も可愛いストライプのドレスも素敵でした。

最低な男に合わせてあげた優しい女性。
だから、最後の行動も良くやった!と拍手したくらいです。

ただ仲間の男性の行動が解せません。
彼としては銃を投げて加勢したつもりなのでしょうか。
ミシェルはいらないと言ったのに・・・。
結果、最悪な最期となってしまいました。
この最期を狙っていたという事??

また煙草吸っていない場面がないくらい、常に煙草をくわえているんです。
女性との距離が近い場面も多かったから、当たるんじゃないかと気が気じゃありません。
ベッドにいる時も灰が落ちていたし、いつ火事になってもおかしくないです。
この時代はこれが普通だったんですね。
皆、カッコ良いと憧れたのかな。

全く良さが分からず、評価も上がりません。
これが「ヌーヴェル・ヴァーグ」なら、私には合わないのかも。
今まで見た作品も軒並み低評価ですからね。
残念です。
鑑賞日 2022.07.01

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spink.gif 勝手にふるえてろ(2017)   日本     [117分]
管理人評価   ★★
ジャンル コメディ/ロマンス
監督 大九明子
出演者 松岡茉優  (江藤良香)
渡辺大知  (ニ(霧島)
石橋杏奈  (月島来留美)
北村匠海  (イチ)
趣里    (金髪店員)
前野朋哉  (最寄駅の駅員)
池田鉄洋  (マッサージ師)
古館寛治  (釣りおじさん)
片桐はいり (オカリナ)
コピー この恋、
絶滅すべきで
しょうか?

“脳内片思い”の毎日に
“リアル恋愛”が勃発!?
あらすじ
24歳のOLヨシカは博物館からアンモナイトを払い下げてもらうほど絶滅した動物が好きなオタク系女子。
恋愛経験はゼロで、中学の同級生“イチ”への片思いを10年間も脳内で育て続けていた。
そんなある日、会社の同期“ニ”から突然告白されたヨシカ。
それなりにテンションは上がったものの、元々タイプでないニが相手ではどうしても気持ちが乗っていかないどころか、反対にイチへの想いが募っていく。
そしてある出来事をきっかけに、もう一度だけでもイチに会いたいと、同級生の名を騙って同窓会を計画する。
感想
これは理解に苦しむお話でした。
妄想し過ぎて現実が受け入れられない女性のお話です。
最初は仕事も真面目にこなしてるし、そこまで妄想に取りつかれている感じもしなかったけど、徐々に虚構と現実が明らかになるという展開でした。

学生の頃は好きな人との妄想とか想像しがちですよね。
経験もないし、実際に話しかけられないけど、付き合ったらこんなだろうなとか想像してましたね。

でも、さすがに社会人になったら、目の前にいる男性に目を向けると思います。
中学生時代のしかもほとんど話したの事のない男子とどうこうなろうなんて、現実味のない事からは卒業しますもんね。

そして、今のイチに会いたい彼女は、他人になりすましてまで同窓会を開き、イチとの再会に成功。
どこまでも自分の欲望に正直な人です。

そこでやっと現実を受け入れる事が出来ました。
そりゃそうでしょ。
10年も空いてるし、ほとんど関係がなかった人の名前なんて覚えてないですよ。
そんな想像力もないというのがあまりに滑稽過ぎます。

またそこからの現実の会社でも秘密をバラされたと大騒ぎ。
そんな重要な事でもないのに、もっと大袈裟にしてしまって見るの止めたいくらい哀れでした。

彼女の周りの振り回されている人たちに同情してしまいます。
こんな人がいたら関わりたくないですけどね。
日頃は大人しそうだから、まさか脳内がおかしな事になってるなんて、気づけるはずもありません。
最後で普通になったのかなと思うけど、思い込みが激しそうだから、まだまだ波乱が起こりそうです。

そんな彼女を松岡茉優さんが、清々しいまでに振り切って演じています。
全然理解出来ない女性でしたけど、滑稽さや哀れさを痛いくらい伝えてくれました。


綿矢りさ 小説原作作品。
鑑賞日 2022.03.20

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spink.gif カットスロート・ハイウェイ(1998)  アメリカ
 OUTSIDE OZONA  [99分]
管理人評価   ★★★
ジャンル サスペンス
監督 J.S.カードネ
出演者 ロバート・ファスター    (オデルパークス)
ケビン・ポラック   (ウィット・ロイ)
シェリリン・フェン     (マーシー・ダガン・ライス)
デヴィッド・ペイマー    (アラン・デフォー)
ペネロープ・アン・ミラー  (アーリーン・デマーズ)
スウージー・カーツ     (ロザリー)
コピー 劇場未公開
あらすじ
妻を亡くしたトラック運転手、ナバホ族の女性とその祖母、三流ピエロとその妻、父親の葬儀に向かう姉妹の7人はそれぞれの思いを胸にハイウェイをひた走る。
しかし、その道にはヒッチハイクをしながら殺人を繰り返している連続殺人犯が待ち構えている。
7人は皆ヤクを吸いながら地元ラジオのDJをしているディックスの放送を聞いていた。
そのラジオ局に犯人からの電話がかかってきた。
7人の運命やいかに…。
感想
最初は関係なかった人々が最後に一つに繋がるお話です。
トム・クルーズ主演の「マグノリア」みたいな映画ですね。
しかし、マグノリアより分かりやすく面白かったです。
サスペンスなので笑えはしませんけど、どういう風に繋がるのかドキドキワクワクでした。

それぞれの話もしっかりしていて納得できたし、DJのディックスの絡みも犯人の心理が分かって良かったと思います。

ラストは迫力満点で一気にみんなが繋がるので目をしっかり開けて見逃さないようにね。
(そんなに意気込まなくても大丈夫です。大袈裟に言ってみただけです。ははは)
目立たないけど良い作品です。
鑑賞日 2003.01.09

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spink.gif KAPPEI カッペイ(2022)   日本     [118分]
管理人評価   
ジャンル コメディ
監督 平野隆
出演者 伊藤英明    (勝平)
上白石萌歌   (山瀬ハル)
西畑大吾    (入間啓太)
大貫勇輔    (守)
古田新太    (師範)
森永悠希    (テルオ)
浅川梨奈    (新井久美子)
倉悠貴     (矢木徹)
橋本じゅん   (柳田)
関口メンディー (和也)
鈴木福     (武智)
かなで     (美麗)
岡崎体育    (堀田先輩)
アントニー   (リアム)
大トニー    (しんちゃん)
山本耕史    (正義)
小澤征悦    (英雄)
コピー 最強なのに、やることない。

最初の恋は、やるっきゃない!キェェェェイ!
あらすじ
ノストラダムスの大予言を信じ、来るべき世紀末に備え、修行に明け暮れてきた男、勝平。
時は流れ、西暦は1999年をとうに過ぎた2022年。
師範から無情にも解散を告げられた終末の戦士たち。
目的を失い東京に流れ着いた勝平は、気弱な大学生・啓太を助けたことをきっかけに、天真爛漫な女子大生・山瀬ハルと出会い、たちまち人生初めての恋に落ちてしまう。
感想
「ノストラダムスの大予言」ありましたね〜。
あれを真剣に捉えた人たちがいたという設定は面白過ぎます。
しかし、何事もなく平和に過ぎていく時間。
煩悩にまみれまくった師範による解散で、終末の戦士たちが彷徨う事になってしまいました。

幼い頃から修行に明け暮れた戦士たちは、みんな世間知らずで衣装も師範に支給されたダサい服。
働く能力もないのでそれぞれに間違った方向へ進んでしまうのです。

終末を自ら起こそうとしてしまう守、中学生を従えて暴走族を率いる正義。
教育って大事なんだなと再認識してしまうほど、どいつもこいつもアホだらけです。

ギャグ漫画らしく突き抜けたアホらしさなのですが、ちょっと私には合いませんでした。
真面目にやればやるほど滑稽で、ふっくら目の女性の取り合いとか、時代遅れのフラッシュモブとか、心が痛くて目を細めて見るのがやっとでした。

どんなに鍛えた男性でも、女性への恋心は思い通りには出来ません。
片思いの辛さをコミカルに描いてるのは共感が持てました。
自分の好きな人には好かれないけど、変な人からモテるってありますよね。

ベテラン俳優さんたちの終末の戦士は見事でした。
ギャグに振り切るキレの良さは、さすがの一言。

なんだろう。
HK/変態仮面」は好きなので、ギャグコメディが苦手な訳ではないんです。
ただこの作品のテンポ感とか物語がしっくりこなかったんです。
俳優さんは良かっただけに残念です。

漫画原作作品。
鑑賞日 2022.11.22

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