東京の下町で小さな写真館を営む民郎。
彼は世界中を飛び回り、紛争地帯で写真を撮っていたが、父が亡くなったため、日本に戻り写真館を継いだのだ。
幼なじみのマリが大学卒業記念に写真を撮りに来たとき、付き添いで来ていた亜弥子と出会い、交際の末結婚する。
しかし、彼女は妊娠3ヶ月のとき、家まで跡をついてきた見知らぬ少年に首を絞められて殺されてしまう。
民郎は事件の真相を知ろうとするが、犯人が未成年のため何の情報も入手できないと知らされる。
管理人評価
★★★
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ドラマ | |
日向寺太郎 | |
浅野忠信 (村瀬民郎) エリカ (亜弥子) 池脇千鶴 (坂本マリ) 小池徹平 (山岸たつや) 宮下順子 (民郎の母) 烏丸せつこ (亜弥子の母) 眞島秀和 (マリの兄) 香川照之 (雑誌記者) |
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ボクノ ココロハ ドコヘモ イカナイ。 | |
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しかし、かなり思い入れのある事件がテーマだったので、すごく複雑な気持ちになってしまいました。
これを見てると"光市母子殺害事件"が思い出されます。
地元での残忍な事件という衝撃とともに、事件のあまりの理不尽さに怒りを覚え、強烈な印象を残した特別な事件でした。
あれから7年経ちますが、今も被害者の旦那さんは戦い続けています。
私はこのニュースが流れ、犯行の詳細が語られるたびに、涙が止まらなくなります。
なので、この元少年の犯人に対しては、絶対に許せないという思いがあるのです。
そして、この作品。
妊娠中の母親を殺した少年。
それが大好きな徹平くん。
あらすじは知っていて借りて来たのですが、聞くと見るとでは印象が全然違いました。
感想を書くとすれば、徹平くん中心で書いたものと、作品中心で書いたもの、の二種類かかないと、この複雑な気持ちは表現できないと思います。
しかも、その感想は正に両極端で、徹平くん中心のものは加害者擁護派、作品中心のものは被害者擁護派なんです。
意味不明ですよね。(汗)
まあ、ここは作品中心の感想を書きたいと思います。
最初は民郎と亜弥子の微妙な雰囲気に戸惑いました。
何か自然過ぎて不自然というか、独特の間が気になってかゆかったんですけど、2人の恋が育まれると共に、それも解消されていきました。
あの二人乗り両手放し+目瞑りは、かなり危険な技でしょう。
転んでもあの程度で済まされるとは思えないわ〜。
そして、2人のキスシーンが妙にリアルで、見ているこっちが照れちゃいます。
浅野さんって意外と胸毛わっさ〜なのね。
ドキッとしましたわ。
(後日、「ガキの使い」でこの胸毛が"暗黒のミルキーウェイ"って言われてて爆笑しちゃいました。)
いよいよ我らが徹平くん登場。
おお!いつもと印象が全然違うね。
ドア開けたときの表情が怖すぎて、背筋に悪寒が走りましたよ。
私、個人としては、民郎の行動は、仕方が無いことだと思います。
愛する妻を殺されたのに、犯人は未成年だからと法律で守られ、短い刑期を済ますと平然と社会復帰している。
まだ心の整理もついてないときに、目の前で犯人を見てしまったらああいう行動に出てしまうと思います。
しかし、マリのいうように「それでは犯人と同じ」というのも分かります。
だからこそ、しっかりと法律で被害者を守って欲しいのです。
被害者が納得出来ず、自らが犯人に報復しようと思うような法律ではいけないと思います。
父親を知らず、楽しい家庭を知らない自分に子供は育てられない。
そんな亜弥子も民郎の優しい言葉のおかげで、子供を産もうと決心します。
過去の自分から解き放たれ、正に今からというときに殺された亜弥子。
その無念を思うと民郎はじっとしていられないのは当たり前です。
髪の濡れた亜弥子の遺影。
そのエピソードを知ったとき、痛いほど胸が締め付けられました。
こんな悲しい思い出になるはずじゃなかったのに…。
そう思えば思うほど、犯人への憎しみも大きくなります。
これはテーマが重いだけに、賛否両論あるでしょうね。
そして、それぞれの感想を聞いて、色々話し合ってみたいです。
そんな気持ちにさせられる作品でした。