刑期を終え出所したばかりのジョンドゥ。
早速無銭飲食して、警察から家族のもとに戻る。
そんな彼を誰も快く迎えようとはしなかった。
ある日、彼はひき逃げで死なせてしまった被害者遺族を訪れる。部屋にはコンジュという重度の脳性麻痺の女性がいた。
彼女の兄夫婦が新しいアパートに引っ越したため、彼女一人がこの部屋に残される事になったのだ。
ジョンドゥはそんなコンジュのことが気になり、花束を持って再び部屋を訪ねる。
管理人評価
★★★★
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ロマンス/ドラマ | |
イ・チャンドン | |
ソル・ギョング (ホン・ジョンドゥ) ムン・ソリ (ハン・コンジュ) アン・ネサン (ホン・ジョンイル) チュ・グィジョン (ジョンイルの妻) リュ・スンワン (ホン・ジョンセ) |
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魂が求め合う | |
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前半でめちゃくちゃイライラさせられたと思ったら、後半は涙涙の雨嵐!
マジボロ泣きです。
とっても複雑で、胸をかきむしりたいようなモヤモヤが沸いてくるんですよ。
それがもどかしくて、切なくて、くやしくて、涙が出ました。
もう始めはジョンドゥが苦手で、イライラの連続です。
人の事などお構いなしでやりたい放題でしょ。
これが全然悪気が無いんだから、余計に性質が悪い!!
しかも、身障者の彼女をおかずにしようとするなんて、ド変態やないか〜!
どんな物語やねん!と思ったもんです。
時々コンジュの空想が絵になるんですよ。
コンジュの遊んでいた鏡の光が蝶になったり、彼女の恐れていた木の影がジュンドゥのおまじないで消えたり。
そして、自分の障害が消えた姿も出てくるのです。
姫の頭の中では、常に自分はこうしたいって絵は、障害のない姿で想像されているんでしょうね。
というか、これが普通なのかも。
でも、私はそれが出るたびに切なくなり、目頭が熱くなりました。
コンジュが自分から誘って、ジュンドゥと一つになれた時に流した涙は、嬉涙と受けとって良いんですよね?
初めてだからというのもあるでしょうが、この涙が印象的で、ここでもかなり涙腺刺激されました。
それなのに、コンジュが緊張して上手く話せず、ジュンドゥが連行されてしまう!
ああ、もう、もどかしさの極みです!
私が代わりに「この人は彼女の恋人なんです!」って名乗りたいくらいでした。
そのもどかしさが切なくて、号泣ですわ。
彼女が自由のきかない体を最大限使って暴れる時なんか、オイオイ泣いてました。
最後のジュンドゥの愛ある行動も感動です。
もうここまで来たら、近所迷惑なんて関係ない!
とことん貫いちゃって!!と応援モードです。
これには「ええ話しや〜!!」の雄叫びが出ました。
脚本が良いのもあるし、主演のソル・ギョングも良かったけど、私はコンジュを熱演したムン・ソリが一番素晴らしいと思いました。
そんなはずはないと思いながらも、途中までは、もしかしたら本当に身障者の方なのか?とも思ってました。
それくらい徹底した役作りです。
沢山の賞を受賞したというもの頷けます。
お互いがお互いにとって唯一のオアシスだったんですね。
こんな純愛もあるんだな。
素敵なお話と一言では言い表せないのですが、なんか後引いて残るんですよ。
この複雑な感情は、今までなかった新しい感覚です。