1958年のドイツ。
15歳のマイケルは、学校帰りに具合が悪くなり座り込んでいた所をある女性に助けられた。
彼女の名はハンナ。市鉄で働く36歳の女性だった。
3か月後、猩紅熱が完治したマイケルは、お礼を言う為に、彼女の家を訪れる。
それをきっかけに、次第に惹かれあった二人は、体の関係をもってしまう。
度重なる情事の中、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することが、ふたりの日課となった。
ところが、ある日突然ハンナが姿を消してしまい、2人の関係はひと夏で終わってしまう。
8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。
管理人評価
★★★
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ドラマ/ロマンス/戦争 | |
スティーヴン・ダルドリー | |
ケイト・ウィンスレット (ハンナ・シュミッツ) レイフ・ファインズ (マイケル・バーグ) デヴィッド・クロス (青年時代のマイケル・バーグ) レナ・オリン (ローズ・メイザー/イラナ・メイザー) アレクサンドラ・マリア・ララ (若き日のイラナ・メイザー) ブルーノ・ガンツ (ロール教授) スザンヌ・ロタール (カーラ・バーグ) ハンナ・ヘルツシュプリング (ユリア) |
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愛は、本に託された | |
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あまりに怒涛の展開で、気持ちがついて行けなかったというのが、正直な感想です。
戦争、ホロコースト・・・ナチの悪行は、いつまでも人々を苦しめ続けますね。
15歳の時に出会った36歳の女性。初めて溺れた女性。
23歳の時に再会した44歳の女性。裁判所で裁かれる被告人。
42歳の時に面会した63歳の女性。刑期を終える直前の囚人。
最初のひと夏の恋は、初々しくてドキドキが止まりませんでした。
何もかもが初めてで戸惑うばかりのマイケル。
それを優しく包み込むハンナ。
36歳とは思えないくらいキュートなハンナに、15歳のマイケルが夢中になってしまうのも納得です。
そんなハンナを演じたケイト・ウィンスレット。
この役でアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。
体を張った演技は、本当に魅力的で引き込まれます。
マイケルを演じたのは、18歳のデヴィッド・クロス。
とても大変な役なのに、初々しくも大胆に演じていて、すごく魅力的な男性になっていました。
ハンナは文盲で、書面を残せるわけがない。
それを証明すれば自分に有利になるはずなのに、最後まで隠して無期懲役になってしまいます。
文盲がバれる事がそこまで恥ずかしい事というのが、ちょっと理解しがたいのですが、それがハンナという人なんですね。
それを分かっているから、マイケルも直前で面会を取りやめたんですよね。
彼女にしか分からない苦しみ。
それが切なくて胸を締め付けられます。
前半と後半でガラリと雰囲気の変わる作品です。
最後も悲しくて、改めて戦争について考えさせられました。
特にマイケルが収容所を訪問する映像は、背筋がぞっとします。