鎌倉に住む作家の曽宮周吉と27歳の娘:紀子。
紀子は病気の周吉の世話をする為、この年まで独り身だった。
ようやく周吉が元気になり、周りからそろそろ嫁に出したらどうだと勧められるようになる。
紀子は自分がいなくなると父が困ると思い、一生独身でも良いと思っていた。
それを知った周吉は、自分は再婚するから心配ないと紀子に告げる。
管理人評価
★★★★★
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ドラマ | |
小津安二郎 | |
広津和郎 | |
笠智衆 (曽宮周吉) 原節子 (曽宮紀子) 月丘夢路 (北川アヤ) 杉村春子 (田口まさ) 青木放屁 (田口勝義) 宇佐美淳 (服部昌一) 三宅邦子 (三輪秋子) 三島雅夫 (小野寺譲) 坪内美子 (小野寺きく) |
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こういう親子愛に激弱です!
号泣、号泣、号泣の嵐ですよ〜!!(T_T)
父の事が心配でお嫁に行きたくない娘の気持ちも分かるし、結婚して幸せになって欲しい父の気持ちも分かります。
お互いが相手を思いやっているのが伝わってくるので、余計に切ないですね〜!
父が後妻をもらうと紀子に告げる時、口元がピクピクと動いてるんですよ。
これには本当に感動しました。
娘の事を思う親心で、変わらぬ表情を作ろうとしているお父さんの名演技でした。
いつもながら会話のテンポがリズミカルで面白いです。
「そうかね」「そうよ」の繰り返し。
慣れて来るとすごく心地が良いものですね。
周吉とまさが、紀子の見合い相手:佐竹熊太郎をどう呼ぶかという話をしている所なんか爆笑でした。
しかし、紀子が後妻をもらった小野寺に対して「おじ様、汚らしいわ、不潔よ」と笑顔で言う所はインパクトありました。
面と向かってこんな毒を吐くなんて、純粋な彼女から出た言葉でも結構キツイと思います。
後半、小野寺が紀子にしつこくこの事を言っていたのを見ると、相当根に持っていたんでしょうね。
おじ様の顔は笑っていたけど、裏の顔が見えるような気がして怖かったです。
海辺をサイクリングする紀子の笑顔がとても綺麗で、すごく印象に残っています。
それだけに父の縁談話を聞いて怒った紀子の表情は怖いですね。
そのギャップが激しいです。それだけ父への思いが強いって事でしょうね。
やっぱり小津監督の作品は良いですね〜。
最後まできっちりと泣かせてくれます。(私が勝手に泣いてるんだけどね…笑)
リンゴの皮をむいた後の淋しそうな父の背中が堪りません!!(T_T)
これは素晴らしい名シーンです。名シーン倉庫行、決定です。
周吉がしきりに鼻にあてがってこすっていた物は何でしょう。
すごく気になりました。