--REIのおすすめ映画--
「クラシカル」
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spink.gif 第七天国(1921)  アメリカ  白黒
  7TH HEAVEN  [119分]
管理人評価   ★★★★★
ジャンル ロマンス/ドラマ/戦争
監督 フランク・ボーザージ
原作 オースティン・ストロング
出演者 ジャネット・ゲイナー  (シコ・ロバ)
チャールズ・ファレル  (ディアーヌ)
ベン・バード
デヴィッド・バトラー
マリー・モスクィーニ
アルバート・グラン
その他 第1回アカデミー賞1927〜1928年
■ 主演女優賞  ジャネット・ゲイナー
■ 監督賞     フランク・ボーゼージ
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あらすじ
下水掃除をしているシコは、意地悪な姉ナナにいじめられていた妹ディアーヌを助けて、アパートの7階にある自分の屋根裏部屋に連れて帰る。
一緒に住みだした二人は自然と惹かれ合うようになり、シコはディアーヌに愛を告白し結婚の約束をする。
やっと幸せになれると思った二人だったが、第1次世界大戦の開戦によりシコは戦場へと駆り出される事となった。
別れの朝、彼らは二人だけの結婚式を挙げる。
感想
この映画はサイレントですが、今回活弁の方の解説付きで放送されたのを見ました。
今までこういう活弁付きという形式で映画を見た事なかったので、多少抵抗があったのですが、良い意味で予想を裏切られました。
活弁というのはナレーションはもちろんの事、一人で何役もこなさなければならないので、かなりの演技力が必要とされる職業です。
俳優さんの演技ももちろんですが、この活弁の方による解説にも感動しました。

この映画のシコがアパートの階段を7階まで上がる映像がすごく好きです。
アパートを輪切りにして横から撮ったような映像で、1階から7階まで上がるシコを長回しで追いかけます。
何となくドリフのコントとかで使われそうな映像なんですが、とても良いんです!
その後、屋根裏部屋に着いてシコが言う台詞が、またカッコイイんですよね。
「働くのは地の底でも、住むのは星のそばさ」
そう思えるから苦しくても頑張っているんですよね。 彼のこういう心意気が、とても男らしくて好きです。

あと、二人の合言葉"シコ・ディアーヌ・天国"というのも好きです。
これはシコがディアーヌにプロポーズした時の言葉なのですが、シコが戦争に行った時も同じ時間に二人でこの言葉を言うのです。
そうする事によって、遠く離れていても心は通っていると自分に言い聞かせる。
そういう心の支えになるお守りのような物って大切ですね。
特に、こういう時代には、すごい力になるんだろうな。
単純なストーリーかもしれないけど、純粋に愛し合い、純真な心を持つ二人にとても感動しました。

愛する者を置いて戦場に行かなければならない男たちの苦悩。
何も出来ずただひたすら待つしかない女たちの苦悩。
この時代の人達の悲しみがひしひしと伝わって来ました。
こんな苦しみを4年間も耐え抜くなんて、今の私にこんな根性は無いな…。

今回この映画を見て、サイレントだからトーキーだからとかは全然関係無く、良いものは良いんだという事を再認識しました。
でないとこんなに愛される娯楽として残ってないですよね。
改めて先駆者の方々は偉大だなと。
素敵な作品をありがとうございました!
鑑賞日 2003.03.20


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